米IBMは量子コンピューター開発のロードマップ(工程表)を更新し、2025年に4000量子ビット級のシステムを実現する計画を打ち出した。10日(米国時間)に米ボストンで開いた同社の年次イベント「シンク」に合わせて、工程表を示した。IBMは量子ビットを制御する技術に超電導方式を採用しており、同じ土俵で競う米グーグルや米リゲッティ・コンピューティングなどとのつばぜり合いが白熱しそうだ。(編集委員・斉藤実)

更新したロードマップでは、量子ビット数が数十万に達する量子システムを実現するために新しいモジュール式のアーキテクチャー(設計概念)とネットワークの開発を表明した。
ハードウエア面ではモジュール化とネットワーク化された量子プロセッサーを実現するために、三つの新しいスケーラブル(拡張性がある)アーキテクチャーを提供する計画。モジュール式に拡張した量子プロセッサーを複数連ねるクラスター構成と、ソフトウエアの技術革新を組み合わせることで、25年に4000量子ビット以上を目指す。
また、従来型の古典コンピューター技術と量子計算機のハイブリッド利用を前提に、インフラを抽象化するソフトも構築していく。「量子計算機と古典コンピューターにまたがる課題をインテリジェントかつ効率的に分散させることで、量子を中心とするスーパーコンピューティング時代への基礎を築く」(IBM)。

IBMは127量子ビットの最新鋭のプロセッサー「イーグル」を発表済みで、22年後半には433量子ビットのプロセッサー「オスプレー」、23年には1121量子ビットの世界初のユニバーサル量子プロセッサー「コンドル」を公表する。
一方、超電導方式ではリゲッティが開発ロードマップにおいて、24年に100量子ビット、26年に4000量子ビットを表明している。IBMは30年頃に数十万から100万量子ビットを見据えているが、23年以降のロードマップはまだ明確化していなかった。今回、「25年に4000量子ビット」の計画を打ち上げたことで、量子コンピューターの開発をめぐるつばぜり合いに拍車がかかりそうだ。
https://newswitch.jp/p/32111

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