世界中の通信事業者が、すでに「5G」ネットワークを立ち上げている。米国では大手3社が全国をカバーし、5G対応スマートフォンの価格は下がる一方だ。次世代無線通信技術の5Gは急速に成熟しつつある。さらに次の世代の無線通信技術について話をしよう。「6G」だ。無線通信技術はおよそ10年ごとに世代交代するため、6Gが実現するのはまだ先の話になりそうだ。導入の兆しが見え始めるのは、おそらく2029年頃だろう。それでも、次の節目となる技術について考察し、無線通信技術の研究者がどのような可能性を見ているのか探ってみる価値はある。6Gが開発される間にも5Gが立ち止まることはない。先ごろ、オンラインとリアルのハイブリッド形式で開催されたMobile World Congress(MWC)には、無線通信分野の企業幹部らが集い、移動体通信の標準化団体で構成される3GPPに参加する数百社の研究者らは、これからマーケティングのバズワードとなるであろう「5G-Advanced」技術について話し合った。この議論に出席したTingfang Ji氏は、Qualcommのエンジニアリング担当シニアディレクターで、同社の主要な5G研究者の1人だ。Qualcommで800件以上の特許を取得している。同氏は、5G-Advancedと6Gの技術がどのようなものになるのかについて、いくつかの見解を示した。6Gは周囲の環境を把握する未来に目を向ける前に、過去を振り返ってみよう。「4G」への移行では、速度が大幅に向上した。今では5Gによって、通信速度が劇的に速くなっただけでなく、多数のデバイスが一斉に通信する場合の接続性が向上した。特にタイムズスクエアのような市街地やサッカー場のようなアリーナでそれが顕著だ。6Gでは、さらに速度が向上するのは間違いないが、情報の伝達だけでなく、無線を利用して周囲の状況を把握できるという大きなメリットが想定されている。6Gでは、スマートフォンが周囲のデバイスを把握し、物理世界とデジタル世界を結ぶ架け橋の役割を果たすようになることが想定される。メガネをかけたユーザーがレストランを見ると、その店のデジタルメニューがメガネの画面に表示されるといった拡張現実(AR)のデモは、6Gで現実のものとなるかもしれない。Appleはすでに、同社製デバイスのネットワークに組み込まれたBluetoothを利用して、ユーザーが「AirTag」で紛失物を追跡できるようにしている。だが、Ji氏によれば、6Gはむしろレーダーのように機能し、デバイス同士がさらに頻繁にやり取りできるようになるという。「本当の意味で周囲を把握できるようになるため、さらに強力なものになるはずだ」(Ji氏)業界は、6Gで新たな周波数帯に踏み込むことを目指している。移動体通信業者が採用しているギガヘルツ(GHz)帯の周波数は、高速なファイバー固定回線に匹敵する高い速度をもたらすものの、通信範囲は狭い。Ji氏によると、通信事業者はGHz帯の1000倍の周波数で動作するテラヘルツ(THz)帯の採用を検討しているという。周波数と速度が厳密に比例するわけではないが、6Gで通信容量がどれほど増えるのかは感じ取ってもらえるだろう。

https://japan.cnet.com/article/35173424/

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