2021年度よりRoAD to the L4プロジェクトにて自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験を実施してきましたが、福井県永平寺町で実施する実証実験において、令和5年5月11日、道路交通法に基づく特定自動運行の許可を国内で初めて取得しました。
1.概要
2021年度より経済産業省と国土交通省が共同で進めてきた「自動運転レベル4等先進モビリティサービス研究開発・社会実装プロジェクト(以下、「RoAD to the L4」)」にて、自動運転移動サービスの実現に向けた実証実験を実施してきましたが、福井県永平寺町で実施する実証実験において、本年5月11日付けで、道路交通法に基づく特定自動運行として国内で初めて許可されました。
これにより、レベル4※1の自動運行装置を用いた運転者なしでの運行が可能となります。※1 特定の走行環境条件を満たす限定された領域において、自動運行装置が運転操作の全部を代替する状態。
2.経緯
経済産業省・国土交通省では、「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画・フォローアップ(令和4年6月7日)」にも掲げられている「2022年度目途で鉄道廃線跡等における遠隔監視のみの自動運転移動サービスを開始」という目標達成に向けて、RoAD to the L4を進めてきました。具体的には、「遠隔監視のみ(レベル4)で自動運転サービスの実現に向けた取組(テーマ1)」を、国立研究開発法人 産業技術総合研究所(以下、「産総研」)と民間事業者(株式会社ソリトンシステムズ、三菱電機株式会社、ヤマハ発動機株式会社)とで組織されたコンソーシアムに委託し、福井県永平寺町において遠隔型自動運転システムを用いた自動運転車の技術・サービスの実証実験を進めてきました。本年3月30日には、国内で初めてレベル4の自動運行装置として認可されましたが、これに続き、道路交通法に基づく特定自動運行に関する申請書を福井県公安委員会に提出したところ、本年4月27日付けで国内で初めて許可を得ました。
今後は、レベル4での技術・サービス実証実験を実施した上で、福井県永平寺町によるレベル4での自動運転移動サービスの開始※2を目指します。※2 本年5月21日に、レベル4自動運転移動サービス開始に係る記念式典を開催予定。
3.許可を受けた特定自動運行計画の概要について
(1)使用する自動車
特定自動運行に使用する自動車の概要は以下の通りです。
- 走行環境条件の付与を受けた4台の7人乗り普通自動車
- ベースは、ヤマハ発動機株式会社のARー07:グリーンスローモビリティ(電動カート公道仕様)
- 特定自動運行時に経路上で使用する車両は、3台。別途予備車両として1台。
(2) 自動運行装置の走行環境条件(写真提供:産業技術総合研究所)
特定自動運行に使用する自動運行装置に付与された走行環境条件は以下の通りです。
①道路状況および地理的状況
道路区間
- 福井県吉田郡永平寺参ろーど:京福電気鉄道永平寺線の廃線跡地
- 町道永平寺参ろーどの南側一部区間:永平寺町荒谷から志比(永平寺門前)間の約2km
道路環境
- 電磁誘導線とRFIDによる走行経路
②環境条件
気象状況
- 周辺の歩行者などを検知できない強い雨や降雪による悪天候、濃霧、夜間などでないこと
交通状況
- 緊急自動車が走路に存在しないこと
③走行状況
自車の速度
- 自車の自動運行装置による運行速度は、12km/h以下であること
自車の走行状況
- 自車が電磁誘導線上にあり、車両が検知可能な磁気が存在すること
- 路面が凍結するなど不安定な状態でないこと
(3)特定自動運行の経路
特定自動運行の経路は、町道「永平寺参ろーど」の南側(大本山永平寺寄り)の約2kmを使用します。
関連リンク
担当
製造産業局 自動車課ITS・自動走行推進室長 福永
担当者:井澤電話:03-3501-1511(内線 3839~3840)
03-3501-1618(直通)メール:exl-itshann★meti.go.jp
※ [★]を[@]に置き換えてください。https://www.meti.go.jp/press/2023/05/20230512002/20230512002.html