経済産業省は、社会課題を解決に必要な、企業や業界を横断しデータを連携・活用するデータ連携に関する取組の名称を決定しました。

経済産業省では、関係省庁や独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)とともに、運用及び管理を行う者が異なる複数の情報処理システムの連携の仕組みに関して、アーキテクチャの設計、研究開発・実証、社会実装・普及の取組を進めております。この度、こうしたデータ連携に関するイニシアティブを「Ouranos Ecosystem(ウラノス エコシステム)」と命名しました。

1.背景

我が国において、将来的に目指すべき未来社会である「Society5.0」を実現していくため、様々な繋がりによって新たな付加価値の創出や社会課題の解決がもたらす、「Connected Industries」を実現するための取組を進めてきました。その結果として、企業間でデータを共有して活用する取組は普及しつつあります。他方で、脱炭素や人手不足、災害激甚化といった社会課題の解決や産業構造の変革による経済成長を実現するには、企業や業界、国境を越えて、データを共有して活用できるようにする必要があります。諸外国に目を転じれば、欧州ではGaia-XやCatena-Xといったイニシアティブを通じて、データ主権やデジタルプラットフォーム間の相互運用性の確保、ソースコードのオープン化を実現しながら、連邦型の基盤を通じて安全にデータを連携する取組を進めております。また、米国では、メガプラットフォーマーによるデータを共有して活用するサービスが普及するとともに、ブロックチェーンをはじめとする革新的な技術の活用が進んでおります。

2.データ連携に関する先行的な取組

先述の背景も踏まえて、2020年5月に独立行政法人情報処理推進機構(IPA)にデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)を設置して、「Society5.0」を実現するために、産学官の専門家が集ってプロジェクトを組成し、企業や業界、国境を越えて、データを共有して活用するための仕組みについて、人流・物流DX及び商流・金流DXに先行的に着手しております。

人流・物流DXについては、人手不足に伴う物流クライシス・人流クライシスや災害激甚化等の社会課題の解決や新産業の発展を実現するため、人や物の移動に関するニーズに応じて、自動運転車やドローン、サービスロボット等の自律移動ロボットが行き交い、人や物の流れが最適化する仕組みの構築や、こうしたモビリティが安全かつ経済的に運行できる仕組みを構築するべく、運行環境を仮想空間に再現するデジタルツインとして「4次元時空間情報基盤」の構築に関する取組を進めてきました。

商流・金流DXについては、契約から決済にわたる取引全体をデジタル化しアーキテクチャに沿ったデータ連携を可能とすることで、グローバルにサプライチェーン全体を強靱化・最適化してカーボンニュートラルや経済安全保障、廃棄ロス削減、トレーサビリティ確保等の社会課題の解決を進めながら、同時に中小企業やベンチャー企業を含めた様々なステークホルダーが活躍して産業が発展する社会の実現するため、蓄電池・自動車を先行事例に、「サプライチェーンデータ連携基盤」の構築に関する取組を進めてきました。「4次元時空間情報基盤」や「サプライチェーンデータ連携基盤」については、2023年度にガイドラインの発効やオープンソースソフトウェアの提供を開始し、2024年度からはこれらを活用した公益デジタルプラットフォーム(公益のために産業界が協調して運営することを想定)によるサービスの提供開始を行うことを目指しております。こうした基盤を用いることで、民間企業が創意工夫して社会課題解決や顧客ニーズに叶うサービスを簡単に提供できるようにすることを想定しております。また、このデジタルの恩恵を速やかに社会全体に広げるために、デジタルライフライン全国総合整備計画の策定や実行を通じて、その普及を推進していきます。

3.データ連携に関するイニシアティブの名称

こうしたデータ連携に関する取組を実施するに当たっては、国内における幅広い企業の参画の促進や、海外のデータ連携に関するイニシアティブとの相互運用の調整(ガラパゴス化の防止)を図ることが重要になります。来年度にサービスの提供開始を実現することを目指していることを踏まえて、国内外での認知度を高めるべく、この度、産学官で連携して、企業や業界、国境を越えて、データを共有して活用するための仕組みについて、アーキテクチャの設計、研究開発・実証、社会実装・普及を行う取組を総称して、「Ouranos Ecosystem(ウラノス エコシステム)」と命名しました。様々なステークホルダーが参画し、全体を俯瞰して見たときに最適な形でシステム連携して新たな価値を共に創出していくエコシステムを表現する単語であるという観点からギリシャ神話で天空の神を意味する「Ouranos」という名称に決定いたしました。

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担当

商務情報政策局 情報経済課長 須賀
担当者:大岩、津田電話:03-3501-1511(内線 3961~3963)
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