高知大学のIoP共創センターはハウス農業で測定できる環境情報から、収穫に直結する光合成や蒸散など生理情報を導く技術を確立した。1枚の葉に適用される理論モデルなどと人工知能(AI)を組み合わせ、モノのインターネット(IoT)による入力データから、栽培中の作物群落の状況をリアルタイムで導く。4月から高知県のクラウドを通じて農家の生産現場に適用する。ITや食品などとの産学連携も進みそうだ。
研究では従来、測定可能な環境データ(日射や気温、湿度、二酸化炭素など)から、代謝に関わる生理データを導く理論モデルがあった。生理データは収穫に重要な光合成能力や、蒸散(栄養素を運ぶ水の吸収量に相当)速度、葉の温度などだ。しかし現場の複雑な作物群落に適用することは難しかった。
今回、環境データとカメラ画像を入力情報に、多様な理論プロセスモデルと画像認識をAIが学習。実際の群落の情報をリアルタイムで導く「作物生理生体AIエンジン」を、同大の「インターネット・オブ・プラント」(IoP)クラウドシステムに実装した。果実を食べるナスに続きキュウリやピーマン、葉を食べるニラで進めている。
さらに収穫の量や時期の予測と合わせて、現場の作業を最適化する「営農支援AIエンジン」も用意。将来は各農家のデータもクラウドに集め、水まきや葉の落とし方など優れた作物管理ノウハウを共有する仕組みにする。大量データ(ビッグデータ)とAIを核に、農家のデジタル変革(DX)を導くものとして注目されそうだ。
日刊工業新聞
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