「日本型システム」とは何だったのかを理解しておくことが重要だ。その手がかりは、バブル経済のピークに公表された『平成2年版経済白書』にある。「対面的情報交換と柔軟な組織構造を形作る日本的雇用」や「企業間の安定した緊密な情報共有を可能にする長期継続取引」など、当時成功していた日本経済の「強み」に焦点を当てた分析がなされている。富を生み出す源泉がシフトする中で、これらの「強み」が「弱み」に転化し、DXが求められている。
<以下5項目に分けて解説する>
1.バブル経済のピークに公表された「経済白書」
2.日本経済が成長した
3つの理由3.企業内の「日本的雇用」はどう機能していたのか
4.企業間の「長期継続取引」はどう機能していたのか
5.内部組織・産業組織の枠組みで分析する意義