SPACは上場して一般投資家から資金を集め、それを原資に有望なスタートアップを買収する。被買収企業は早期上場を果たし、成長資金を得られる。SPAC自体は事業を持たず、投資家は買収企業を上場時に知らされないため、「空箱」や「ブランク・チェック・カンパニー(白紙の小切手)」と呼ばれる。日本でもSPAC解禁を検討するのは、スタートアップ育成で大きく出遅れているとの危機感だ。内閣府などによると、国内総生産に対するベンチャーキャピタル投資額(2016、17年)は、米国が0.4%に対し、日本は0.03%。G7ではイタリアに次いで低い。コロナ禍の20年は、米国の投資額が前年比で1割増えたが、日本は3割減った。新経済連盟の三木谷浩史代表理事は、2月に日本取引所グループと開いたイベントで、「大企業の社長経験者がSPACを作れば、様々なベンチャーが持つアイデアとビジネス遂行力が結びつく」と強調した。
