今後のDAO発展のために必要なピースの一つと言われているのが分散型ID(Decentralized Identity or DID) だ。市場規模は5600億ドル(約80兆円)という試算もある分散型ID業界。なぜDIDがDAOに欠かせない存在なのか本日は解説する。

(上記の話は、DAOとは「地理的に分散した人々が、偽名も選択肢の一つとして、ネットで繋がって現実世界では果たせない共通の理想を叶える為コミュニティ」という定義のもとに成り立っている。よく地理的に集中した場所(つまり〇〇村や〇〇島、〇〇個人のコミュニティ)にDAOを取り入れようという話があるが、これは最初から矛盾が生じているように思える。なぜ、トラストレスが武器のブロックチェーン技術をトラストで既に成立している世界に取り入れるのか?トラストレス技術の魅力は、地理的に分散したところから集まる人々、つまりお互いに顔も知らない人々が偽名で活動しても、安心して取引を成立させられるところにあるはずだ。この点は脱線となるので後日詳しく話す。)

DAOの偽名文化を特徴づけるのが、イーサリアムのアドレスである英数字の羅列に代表される個人だ。DAOの参加者はプロフィールを偽名で設定したりアドレス表示のままにしたりする人が多い。これによって、現実世界の自分の本業の評判を落とすことなく、一風変わったアイデアや大胆な提案が可能になり、DAOのダイナミズムに繋がっていた。

しかし、ここには大きな課題がある。例えば、イーサリアムのアドレスは誰でも幾つでも作ることができる。ある悪意のある人が、あるイーサリアムアドレスでDAOから技術的なタスクを請け負いコードにバックドアを仕込む。DAOはそのイーサリアムアドレスをブラックリストに入れることができるが、悪意ある人は別のイーサリアムアドレスを発行し、何食わぬ顔でDAOに戻ってこれる。

また、DAOが複数のアドレスを使ったシビル攻撃にさらされるリスクもある。異なるアドレスで複数回の投票することは「1人1票」の原則から外れる。

解決策として注目されるのが分散型ID(DID)だ。何らかの方法でオンチェーン(イーサリアムアドレス)とオフチェーン(アドレス作成者)をつなげる。ただその際、偽名文化を守る必要がある。DAO参加者は、実名や住所、年齢、顔写真など免許証に書かれているような網羅的な紋切り型のIDを見せたくないだろう。アイデンティティとは、「あなた自身を定義する要素全て」と言う人もいる。政府系のIDを使わなくとも「あなた」を証明する方法はあるはずだ。

例えば、KlerosのProof of Humanityは、あなたのスキルや経験とアドレスを紐づけることであなたのDAO参加を承認する仕組みの構築を目指している。他にも具体的なプロジェクトとして、Soulbound NFT、Proof of Existence、Spruce ID、などがあげられる。

分散型IDの普及はDAOの本来の意義である偽名文化を守ることにもつながろうだろう。偽名同士でありながらお互い安心して参加できる環境づくりはweb3の本質にも根ざした動きだ。
https://note.com/dydx_japan/n/na004709b2ef7

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