こんにちは。パロアルトインサイトCEOの石角友愛です。今回は、アメリカのオハイオ州で2月に起きたノーフォーク・サザン鉄道の貨物列車脱線事故を例に、優秀な人材がソフトウェア産業に流れる中、どのようにアメリカのものづくり産業を建て直すべきかについてお話したいと思います。

日本ではあまり報道されていませんが、アメリカのオハイオ州イーストパレスチナで2023年2月3日、鉄道の脱線事故が起きました。これにより、塩化ビニールを含む危険な化学物質を積んだ38台の列車が脱線し、環境への悪影響が問題視されています。3月14日には、同州司法長官が、オハイオ州が鉄道会社を提訴したと発表しました。同州司法長官は、この事故について「完全に回避可能な問題だった」と述べています。

そして、この事故をきっかけに、意外にもソフトウェア業界からものづくり産業の衰退を嘆く声が上がるようになりました。例えば、元コインベースCTOのバラジ・スリニヴァサンがその一人です。

バラジ氏は、アメリカにおいて、近年では優秀な人材の多くが「権威ある仕事」として金融、法律、医学、政治、あるいはソフトウェア工学といった職に流れており、結果としてものづくり・建築・電気系といったインフラに関わる人材が減少している傾向が見られるという点を指摘しています。

そして、このことが原因で、建築物やインフラのメンテナンスの質が低下したり、インフラそのものが劣化したりしているのだと結論付けています。

優秀な人材が不足することで引き起こされる問題は、単純なインフラ劣化の加速だけではありません。優秀な人材が製造業に流れないことによって、メンテナンスの質自体が低下してしまうことも重大な問題です。

NBCニュースの報道によると、米国の主要な鉄道会社では、利益を追求するために列車の長さを伸ばしているにもかかわらず人員削減が行われており、2011年から2021年にかけて、機器のメンテナンスを担当する労働者は40%近く、列車の運転士は27%近く減少しているといいます。そのため、冒頭でご紹介したノーフォーク・サザン鉄道の脱線事故も、人員不足が原因で引き起こされるヒューマンエラーやメンテナンスが不十分なことなどが原因で引き起こされたと考えることもできるでしょう。
続きは以下~
https://www.businessinsider.jp/post-267224

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