政府が年末の2021年12月20日から「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の運用を始めたが、はっきり言って使いものにならないぞ。一体全体、何のためにこの時期にこんなものをリリースするのか。これはもう税金やデジタル庁の人的リソースなどの無駄遣いだ。政府が本来やるべきことに全く取り組んでおらず、優先順位を間違っているにも程がある。
断っておくが、私はアプリ自体にいちゃもんを付けているわけではないからな。マイナンバーカードに旧姓併記がある人は証明書を発行できないという「今の時代に何を考えとんねん」という仕様の不備はあるものの、デジタル庁は早急に改修すると言っているから、それほど目くじらを立てる話ではない。運用を開始してまだ1カ月もたっていないので断言はできないが、感染再拡大を前にシステムとしてまずは順調に立ち上がったと言ってよいだろう。
実は私も、運用開始直後にアプリをiPhoneにダウンロードして証明書を発行してみた。マイナンバーカードを使った手続きは実にスムーズで、あっという間に証明書の発行が完了した。ユーザーインターフェースもシンプルで分かりやすく、何の問題もない。これなら自分のワクチン接種日の確認用ぐらいには使えるし、ワクチンのロット番号も明記されているので、あまり考えたくはないがワクチンに何か問題があったときの対処にも役立ちそうだ。
「じゃあ、木村は何をもって『使いものにならない』などと言っているんだ」と怒られそうだが、実際にどんなに出来がよくても使いものにならないではないか。このアプリで証明書を発行するには、マイナンバーカードを持っていることが前提だが、マイナンバーカードの普及率は2021年末時点で4割だぞ。そんな状況なのに何でアプリが使いものになるのか。言っておくが、このアプリを使うのは、というか、このアプリで証明書を確認するのは本人ではないぞ。飲食店やイベント事業者、海外の入管当局などだからな。いったいどうやって使うんだ。
これから順を追って詳しく暴論するが、使えないこのアプリは「とりあえずつくってみた」といった類いのものでしかない。その意味では、あの悪名高いCOCOA(新型コロナウイルス接触確認アプリ)と何ら変わるところがない。民間の企業の例で言うと、経営者からDX(デジタルトランスフォーメーション)を丸投げされたデジタル推進組織が、とりあえずデジタルサービスのためのアプリをつくってみたというのと同じだ。何を言っているのか理解できない人も多いかと思うが、すぐに分かるように説明するのでしばし待ってくれ。
それにしても、新型コロナ禍対応で「デジタル後進国」である事実が世界にばれてしまったので焦っているのか、あるいは新設のデジタル庁の実績づくりを急ぎたいのか知らないが、こんな使えないアプリをつくっているようでは話にならない。日本のDX、そして新型コロナ禍対策のためにも、真っ先に取り組むべきことは明らかなはずだ。だが、それをやらないで、とりあえずアプリなんかをつくっている。もう優先順位がめちゃくちゃである。
続きは以下~
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00148/122300207/

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