最先端の工業製品に欠かせない希少な金属「レアメタル」を、使用済みの蓄電池から効率よく取り出す技術を茨城県のベンチャー企業が開発しました。長期的な資源確保につなげたいとしています。開発したのは、日本原子力研究開発機構の職員らが茨城県東海村に設立したベンチャー企業です。蓄電池にはコバルトやニッケルといった希少な金属「レアメタル」が使われていますが、使用済みとなったものからリサイクルのために取り出すには不要な物質の除去に時間とコストがかかるのが課題でした。ベンチャー企業が開発した手法「エマルションフロー」は、特殊な液体を非常に細かい粒状にして噴射するなどして分離する技術で、従来の手法に比べ、作業にかかる時間を10分の1に短縮し、5分の1以下のコストで取り出せるということです。レアメタルは、電気自動車やスマートフォンのバッテリーに使われるなど最先端の工業製品には欠かせないことから、世界中で需要が増えている一方、日本は輸入に頼っているのが現状です。開発した「エマルションフローテクノロジーズ」の長縄弘親CTOは「新たな技術を普及させ、人や地球に貢献したい」と話しています。
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