年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、経営危機が伝えられている中国不動産開発大手の中国恒大集団に対し、2021年3月末時点で96.7億円を投資していた。GPIFでは、中国恒大への投資が年金運用全体に大きな影響を与えることはないとしている。:ブルームバーグ2021年9月21日 14:05 JST
レジット・デフォルト・スワップ(CDS)とは:pimco、発行体の信用リスクを対象とするデリバティブの一種です。債権を移転することなく、信用リスクのみを移転させることに特徴があり、発行体のデフォルト(債務不履行)に 対する「保険」に似ています。CDSのプロテクションの買い手は、クレジット・イベント(信用事由、「倒産」や「支払不履行」など)が発生した際、スワップの想定価値と等価の債券を額面で売却できるという権利と引 き換えに、プロテクションの売り手に対して毎年プレミアム(保険料/オプション料)を支払います。一見オプションと似ていますが、CDSは実際にはスワップと定義されます。市場取引では一般的に、CDSのポジショ ンはプロテクションの買い/売りとして認識されていますが、プロテクションの売り手はクレジット・リスクを買っているのに対し、プロテクションの買い手はクレジット・リスクを売っている、ということを理解しておくことが重要です。CDSのプレミアムは、スワップ期間中、および参照債務にクレジット・イベントが発生するまで支払われます。参照債務にクレジット・イベントが発生した際、スワップ契約は終了、プレミアムの支払いも停止し、プロテクションの売り手との間であらかじめ契約で決められた方法にて、現物決済もしくは現金決済が行われます。CDS取引は、もともとは銀行が保有するクレジット・エクスポージャーを他者に移転し、引当金を軽減する目的から形成されました。その後、CDSが普及するに従い、その取引形態も標準化されるようになり、特に2002年にワールド・コムやエンロンの破綻問題が発生した際にもCDS市場が円滑に機能したことで、CDSの利用が拡大しました。さらには、証券化商品を参照先とするCDSやCDSを裏付けとするシンセティックCDO(合成債務担保商品)等の出現により、市場規模は急拡大しました。しかしながら、CDSを組み込んだ金融商品の一部において構造が複雑化し過ぎたことにより、リスクの所在が不透明になったことが 市場参加者の懸念を生み、CDS取引にかかわるリスクが大きく注目されることとなったため、2008年の金融危機以降は市場参加者が減少し、CDS市場は縮小に転じました。当該事象を受け現在では、取引の安全性と市場の透明性を高めるためにCDS清算機関の設立を進めるなど、CDS市場の整備が進められています。資産クラスとしてのCDSCDSと社債ある参照債務のプロテクションを売る(信用リスクを取得する)場合、LIBORで資金を調達しその参照先の発行する変動利付債に投資しているのと類似した経済効果があります。例えば、現物債を保有する場合と、CDSでプロテクションを売却していた場合、参照先X社に債務不履行(デフォルト)が発生すると、それぞれの場合の経済効果はどのようになるでしょうか。現物債(額面1億円)を保有している場合投資家の手元にはデフォルトしたX社社債が残りますが、その価格は通常額面よりも大幅に低いものとなります。現物債投資家の損失 = {(100円) – (デフォルトした現物債価額)}×1億円 / 100X社を参照先とするプロテクションを想定元本1億円分売却している場合 (現金決済/オークション決済の場合)投資家は社債の額面(100円)と参照債務の市場での評価額(オークション決済の場合は主要ディーラーの参加するオークションによって決定された価格)との差額を支払います。CDS投資家の損失 = {(100円) – (デフォルトした参照債務の評価額)}×1億円/100*クレジット・イベント発生時の決済方法は各CDS契約において規定され、主流となっているオークション決済以外にも現物決済と呼ばれる決済方法があります。現物決済の場合、プロテクションの売り手は想定元本分の現金をプロテクションの買い手に支払う一方、デフォルトしたX社の社債を受け取ります。(受け取った社債を市場で売却することで現金決済と同等の経済効果となります。)一 方、社債取引とCDS取引の主な相違点は以下の通りです。① 社債市場では信用リスクをショート(空売り)することが難しい一方で、CDSではプロテクションの買いによって比較的容易に実現できる② CDS取引では元本には実際の現金は投資されないため、CDSでは少額の現金で金額の大きな取引が可能③ CDSではクレジット・イベントの発生の認定が社債よりも広範囲 (債務再編によるクレジット・イベント認定など)④ CDS取引にはカウンターパーティ・リスク(CDSの取引相手の破たんなどにより契約通り取引が行われないリスク)が存在
CDSの対象CDSはさまざまな信用リスクを移転することができます。
CDSへの投資機関投資家によるCDS取引が急速に拡大した理由は、CDSを用いることでアクティブ・ポートフォリオ・マネジメントにおける社債やエマージング債等に対するクレジット・エクスポージャーの管理がよりカスタマイズしやすくなり、運用者の意図するリスクポジションが取りやすくなる利便性にあるといえます。債券運用におけるCDSの利用方法としては以下の例が挙げられます。 信用リスクに対するヘッジ(プロテクションの買いポジション)現物債を保有するのと同様の信用リスクを取得(プロテクションの売りポジション)現物債市場には存在しない投資期間の設定流動性の少ない発行体に対する信用リスクの取引通貨リスクを排除した外国の発行体銘柄に対する投資インデックス取引(市場全体の信用リスクの取得、またはヘッジ)現物債とのスプレッドに着目した取引 = ネガティブ・ベーシス取引CDSのスプレッドが現物債のスプレッドよりも大きいことをポジティブ・ベーシス、小さいことをネガティブ・ベーシスと呼びます。 ネガティブ・ベーシス取引CDSのスプレッドが現物債のスプレッドよりも小さい状態にあることをネガティブ・ベーシスと呼びます。ネガティブ・ベーシスは、CDSと現物債の特性や需給などの違いから発生すると考えられています。ネガティブ・ベーシスが発生している場合、社債の買いに、社債発行体を参照組織とするCDSのプロテクションの買いを組み合わせることによって、信用リスクをヘッジしながら、社債のスプレッドとCDSのプレミアムの支払いの差額を収益として確保できるアービトラージ(裁定)ポジションを構築することができます。

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