「Locus Mapping」を運営するRFルーカスRFIDとは何かというと、電波でデータを読み取る技術のことだ。これまで商品や備品の管理にバーコードやQRコードなどが使われてきたが、近年はそうしたものの代わりにRFIDの導入が進んでいる。RFIDなら個別に読み取らなくても、数秒で大量のタグをまとめて、しかも段ボールなどに入ったままでも読み取れるという利点がある。ただ、まとめて複数のタグが読み取れるのは便利なものの、位置情報までは分からないのがRFIDの課題だったとRFルーカスの取締役COOを務める浅野友行氏は説明する。例えば、店舗で商品のRFIDタグを読み取れば、どの商品がどれだけあるかは確認できるが、個別の商品がそれぞれどの棚にあるのかまでは分からない。RFルーカスは独自の「電波位相解析」により、RFIDタグの正確な位置特定を実現した。RFルーカスの位置を自動取得してデジタルマップ上に表示する「Locus Mapping」はこの技術を活用している。具体的なサービス内容についてはサービスローンチの記事に詳しく書いてあるので、そちらも参照して欲しい。RFルーカスの技術を導入することで、店舗や倉庫での入出庫や検品、棚卸し、在庫の探索、ピッキングなど、これまで目視確認やバーコード読み取りで行っていた作業を大幅に削減できると浅野氏は説明する。RFルーカスはこの技術の特許を日本、米国、欧州で取得済みで、現在アパレル業をはじめ、製造業や物流倉庫などで採用が進んでいるそうだ。2015年8月に設立したRFルーカス。2018年4月にシードラウンドとしてSTRIVEから1億円、2019年6月にプレシリーズAラウンドとしてSTRIVE、りそなキャピタル、テクノスジャパン、AGキャピタル、みずほキャピタルから2億円を調達し、今回のシリーズAで累計調達額は6億円以上となった。「これまで製品開発に注力してきましたが、ここからは本格的に拡販に入っていこうと考えています」と浅野氏は話す。今回調達した資金は拡販に向けた人材採用に加え、さらに付加価値の高い機能開発を進める考えだという。具体的には自動走行ロボットやドローンと組み合わせて、タグを無人読み取りする機能などを検討しているそうだ。今まで人がハンディリーダーでタグを読み込んでいたところを、自動走行ロボットが夜間に読み取って管理するような形で在庫管理にまつわる作業の自動化、効率化を進めていく。すでに技術的な検証を行っていて、今後プロダクトとして実装していく考えと説明。

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