三井不動産のベンチャー共創事業「31 VENTURES(サンイチベンチャーズ)」とプロトスターが「“E.A.S.T.”(イースト)構想」を発表したのは2年半前のことだ。E.A.S.T. 構想は、 Empowering Ambitious Startups in Tokyo という語呂合わせに加えて、三井不動産が多くの物件を保有する日本橋エリア(=東京の東側)に、スタートアップを集積させることを狙ったものだった。新宿や渋谷や六本木とは対照的に、エスタブリッシュな企業が多い街ならではの地域性を生かし、そういった企業のスピンオフ組や事業経験豊かなミドルエイジ起業家を集めようという考え方は、同じく東京の東側に拠点を構える他のエコシステムプレーヤーにも影響を与えた。このエリアに、ライフサイエンス系スタートアップのためのウェットラボが誕生したことなども遠因の一つだろう。この E.A.S.T. を物理的なスタートハブという観点から具現化した施設が今日、日本橋富沢町に正式オープンした。小伝馬町、人形町、馬喰横山など、複数の地下鉄駅からほぼ当距離にあるオフィス街に7階建てのビルとして存在する。1F には近隣住民やオフィスの人たちも利用できるカフェが入居しており、このスペースは6時以降はイベントスペースとして借りることも可能だ。THE E.A.S.T. 日本橋富沢町には、完全個室(6人から30〜40人向け)、コワーキングスペース、1社ごとに固定占有できるテーブルスペースの3つのメニューが用意されている。31 VENTURES では日本橋 Clip などでもコワーキングスペースを展開していたが、三井不動産との事業シナジーを高めるスペースとして再編成、富沢町を含め都内6カ所で THE E.A.S.T. を展開することにした。
