株式会社アドライト 代表取締役CEO 木村 忠昭氏。今後IPOや地域有力ベンチャーとして成長するためにはどのような準備が必要であるのか、また大手企業との連携方法や地域エコシステムの活用方法など、事業を次のステージに上げるために必要なノウハウについてお話いただいた。木村 忠昭氏は、ユーグレナやじげん、クラウドワークスなど、スケールアップする企業の社外役員として、上場の準備や資金調達など、ハンズオン支援に関わる。現在は、国内外のスタートアップの知見やネットワークを生かし、大手企業のオープンイノベーションにおける事業化支援をメインに行なっている。以前はある程度時間をかけてプロダクトを検証することができたが、昨今は時間軸が短くなっている。流行や技術の移り変わりが早くなっており、計画立てて緻密に準備することが難しくなっているが、それは逆にチャンスと捉えることもできる。特定の領域に特化したベンチャーが一点突破していくことの価値は高まっている。また、大手が短期間で、新しい事業の種を見つけるのは難しいため、ベンチャーに投資をしたり、買ったりする流れはさらに加速していくと予測。新しく事業を始める人にとっては、戦いやすい局面にある。大きくなる可能性のあるスタートアップのアイデアは、良いアイデアと悪いアイデアの中間にあるもの。ピッチの際に賛否両論、両方あってはじめて「これはいける」と思ってほしい。逆に、10人のうち10人が「いいね」と言うようなアイデアは、考え直したほうがいいかもしれない。「業界の常識は、違う業界の非常識」アメリカの起業家育成塾「Y Combinator」では、「スタートアップはロジカルに作り上げるものではなく、ある日突然、感じて気付くものだ。スケールしないことをしよう」と教えている。新しいことを始めるのは一点突破。ロジカルに考えると、みな同じ方向に収束してしまうので、違うアプローチが必要になる。
