経済産業省は、この度、「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめました。本ガイダンスでは、事業会社で研究開発がなされたものの、その事業会社では事業化できない技術を活用してスタートアップを創出していくための考え方や実践方法などを解説しています。スタートアップ創出のためのカーブアウトについて、ガイダンスをとりまとめるのは、初めての取組です。今後は、このガイダンスの普及のため、実証事業等を行う予定です。

1.背景とねらい
経済産業省は、革新的な技術に裏打ちされた新たな企業・産業の創出やそれによる多様な社会課題の解決を目指し、助成事業などを通じてディープテックスタートアップの事業成長やそれらが有する革新的な技術の社会実装を支援しています。

多様な社会課題を解決するためには、それに資する革新的な技術がより多く社会で活用されていくことが望まれます。他方で、我が国の民間部門の研究開発投資のうち約9割が大企業によって担われているものの、事業化されない技術の約6割がそのまま消滅しているとされています。こうした技術が死蔵されることなく、製品・サービスとして顧客や社会に普及・浸透すれば、新産業の創出やイノベーションの実現に繋がることが期待されます。

しかし、そうした技術は、持ち主である事業会社においては自社組織の限界により事業化できないものであることが多く、また、そうした限界を超えて、そのような技術をいかに社会実装に繋げるかについてはこれまで必ずしも十分に議論・整理されていませんでした。

2.「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」
こうした背景から、経済産業省では、「研究開発成果を活用した事業創造の手法としてのカーブアウトの戦略的活用に係る研究会」を立ち上げ、事業会社が自社組織の限界により事業化できない技術の事業化に向けた方策を検討し、この度、検討の成果を踏まえて「起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス」を取りまとめました。

本ガイダンスでは、革新的な技術の事業化に取り組む主体としての「スタートアップ」に着目し、事業会社が自社組織の限界により事業化できない技術を事業化するために事業会社とは別の法人(スタートアップ)を創設することを「スタートアップ創出型カーブアウト」としました(子会社や自社事業の一部を切り出すという意味での「カーブアウト」とは異なります。)。

「スタートアップ創出型カーブアウト」の中でも、起業家が主導してカーブアウトのプロセスやその後の経営に取り組む「起業家主導型カーブアウト」は、そのプロセスがボトムアップで進むがゆえに、対象となる技術の捉え方や創設されるスタートアップに期待される成長速度などの基本的な認識について事業会社と起業家との間に齟齬が生じやすく、共通認識の下での社内調整を行うことがより重要となります。
そのため、本ガイダンスでは、起業家主導型カーブアウトに着目し、その特徴等を整理して実践的なカーブアウトの手法をお示ししています。

また、それらを踏まえ、実践に向けた事業会社のあるべき姿や社内での検討や調整におけるつまずきのポイントを整理するとともに、NECやHondaなど自社からのスタートアップ創出に先進的に取り組んでいる事業会社の協力を得て事例集もまとめています。

関連資料
起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス(概要)(PDF形式:531KB)PDFファイル
起業家主導型カーブアウト実践のガイダンス(本文)(PDF形式:3,304KB)PDFファイル
関連リンク
研究開発成果を活用した事業創造の手法としてのカーブアウトの戦略的活用に係る研究会
担当
産業技術環境局
技術振興・大学連携推進課長 野澤
担当者:上田、池谷
電話:03-3501-1511(内線 3381~3386)
メール:bzl-sangi-gijutsushinkoudaigakurenkeisuishin-vb★meti.go.jp
※[★]を[@]に置き換えてください。
https://www.meti.go.jp/press/2024/04/20240426003/20240426003.html

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