現在接続されているグローバルIoTは122億にも上ります。あらゆる国や業界など垣根を越えて利用され、その数は現在も急速に増加しています。IoTで通信する際、特に重要なのがIoT通信プロトコルです。適切な接続を実現するには、プロトコルを理解しなければなりません。そこでこの記事では、ドイツの市場調査会社IoT Analytics(IoTアナリティクス)社の市場調査レポート「IoT通信プロトコルの導入(2022年)」から、IoT通信プロトコルについて知っておくべき5つのことについて解説します。

編集協力:グローバルインフォメーション

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IoTプロトコルで知っておくべき5点とは<目次>

  1. 理解すべき「2つの理由」
  2. ポイント1:世界標準のIoTプロトコルは存在しない
  3. ポイント2:IoTプロトコルを使用した接続が急増
  4. ポイント3:接続管理には「ソフトウェア」が超重要
  5. ポイント4:IoTプロトコルの採用で最も重視されるのは?
  6. ポイント5:IoTプロトコルは複数部門の関与が必要?
  7. まとめ

理解すべき「2つの理由」

 122億も存在するアクティブなグローバルIoTは、相互接続された無数のデバイスが互いに通信し合うことで、意味のあるデータを生成します。しかしデバイスが通信するには、接続されているだけでは不十分であり、同じ「言語」を話さなくてはなりません。そこでIoTプロトコルの出番となります。

 プロトコルとは、ネットワーク環境において、異なるマシン/デバイスの効果的な通信(データ交換)を可能にする一連の規則のことです。この概念は、私たちがコミュニケーションに使用する言語に似ています。もし2人の人間が同じ言語を話さなければ、そのやり取りに効果はありません。このようなプロトコルがなければ、データ通信における混乱が発生してしまうのです。

 ここからはこのIoTプロトコルで知っておくべきポイントについて、5点を解説します(図1)。

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IoTプロトコルで知っておくべき5つのポイント
 これを理解することは、以下2点のような理由から極めて重要です。

  • トピックの複雑さを理解することで、より使いやすい製品を世に送り出すことができます。
  • デバイスの通信方式を理解することは、プロジェクトの接続設定の成否を左右します。

ポイント1:世界標準のIoTプロトコルは存在しない

 現在、誰もが認める標準的なIoTプロトコルは存在しません。このため、複雑な問題が生じています。事実、調査回答者の73%が、色々なデータ形式とプロトコルの管理がプロジェクトの進展・拡大を妨げていると指摘しました。IoT市場は全体として細分化されており、IoTプロトコルも例外ではありません。グローバルスタンダードは存在しないのです。

 一方、特定の業界で使用されているプロトコルがあります。たとえば、CAN(Controller Area Network)は車両コンポーネント通信の定番であり、DNP3(分散ネットワークプロトコル)はインフラ、HART(Highway Addressable Remote Transducer)はプロセス産業で使用される一般的なプロトコルです。

 しかしIoTに関連するプロジェクトでは一般に、プロトコルの選択が適切なネットワーク構築を左右するので、多くの要件を考慮しなければなりません。

 たとえば、MQTT(Message Queueing Telemetry Transport)とNB-IoT(Narrow Band-IoT、LPWAN規格の1つ)には互換性があり、安定したネットワークであれば不備なく連携できます。ですが受信環境の悪さが加わると、そこからトラブルが発生します。

 プロトコルを決定する前には、「端末はバッテリー駆動なのか」「転送されるデータ量はどの程度なのか」「ネットワークは安定しているか」「メッセージに優先順位はあるか」など、明らかにすべき点が多数あります。遠目に見れば、エコシステム全体が見えてきますが、loTプロトコルはその一部なのです。

 下の図2からわかるように、IoTプロトコルの全体像は非常にわかりにくいものです。複数のレイヤーが含まれ、互いに互換性を持つ必要があります。

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図2:IoTプロトコルの構成要素
 たとえば通信プロトコルのレイヤー(接続、リンク、トランスポート、セッションなど)は、IoTのベースを構成するにすぎません。その上には、データ処理(Kafka、RapidMQなど)、ストレージ(MongoDBなど)、そして最後に、対応するアプリケーション(マシンビジョン、資産管理など)が存在します。

 さらに複雑なのは、特定のデバイスが独自のプロトコルのみをサポートしている場合があることです。これらのプロトコルは単一の組織または個人が作成・所有するもので、多くの場合、他の標準的なハードウェアと互換性がありません。

 その場合、プロトコル・コンバーターが必要になります。これらのさまざまなパーツはすべて、機能的かつ効率的な接続のために正しく設定されなければなりません。調査で接続設定について尋ねると、ほとんどの回答者が相互運用性を問題点として挙げています。

ポイント2:IoTプロトコルを使用した接続が急増

 IoT Analyticsの調査によると、IoTセットアップ用のプロトコルを使用した接続の割合は今後2年間で11%増加すると予想されています。MQTTとCoAP(Constrained Application Protocol)は、この成長をけん引するプロトコルです。どちらもあらゆる点でIoTネットワークの要件に適合します。

 低エネルギー消費・軽量(バッテリー駆動のデバイスに必須)であり、オーバーヘッドが低く(メッセージサイズが小さい)、損失の多いネットワークで動作します(センサーなどの多くのIoTデバイスはリモート セットアップが可能)。

 アセット/デバイスからミドルウェアへの接続については、MQTTの接続シェアは期間中29%の増加が見込まれます。ただし、ミドルウェアとアプリケーションの中で最も成長が見込まれるIoTプロトコルはCoAPであり、この2年間で30%増加しています。AMQP(Advanced Message Queuing Protocol)もシェアが拡大しているIoTプロトコルであり、いずれの接続タイプとも全体的に成長しています。

ポイント3:IoTの接続管理には「ソフトウェア」が超重要

 IoTプロトコルの台頭により、接続セットアップの一部として、ソフトウェアの重要性が増しています。

 10~15年前の接続環境はとても単純で、ほとんどのプロジェクトはオンプレミスに凝縮されていました(分析と視覚化を含む)。その後、接続を管理するための新しいソフトウェアが登場しました。IoTプラットフォーム、ブローカー、プロトコル・コンバーター、その他のミドルウェアなどのツールは、接続パズルを完成させるピースです。

 IoTプラットフォームに関しては、ほとんどの回答者がMicrosoft Azure IoTとAWS IoTを利用していました。一方、ブローカーとプロトコル・コンバーターは多様化しており、複数の企業が脚光を浴びています。中でもHiveMQとActiveMQは2大ブローカーであり、PTC KepwareとMatrikonは最もよく使用されるプロトコル・コンバーターの1つです。

ポイント4:IoTプロトコルの採用で最も重視されるのは?

 各プロジェクトのニーズに適したIoTプロトコルを見つけることが重要です。たとえば、MQTTは比較的集中化されており、低帯域幅のリモートロケーション接続に適しています。対照的に、DDS(Data Distribution Service)は分散型で、用途がもっと広く、高性能ネットワークに対応できます。したがって、潜在的なIoTプロトコルとその属性を比較することが不可欠なのです。

 IoT Analyticsの調査によると、新しいプロトコルを選択する際、その決定に最も影響があるのは「プロトコルの使いやすさ」です。20以上の機能をリスト化した中でも最も重要な特性でした。

 また、業界、地域、企業規模によって各プロトコル特性の評価は異なり、パターンがあります。たとえば、他のプロトコルとの相互運用性とスケーラビリティは大企業にとって重要である一方、シンプルなDevOpsは中小企業に重要になります。

ポイント5:IoTプロトコルは複数部門の関与が必要?

 回答者の88%によると、取締役会/経営陣が最終権限を持っていると回答しています。とはいえ、取締役会や経営陣だけではなく、IoTプロトコルを決定することは多くの関係者にとって大変な作業なのです。

 調査の結果、IT・技術部門や財務部門など、6つの部門が決定手続きに参加していることがわかりました。地域別では明確な違いがあります。北米の企業では、回答者が決定権限者として特定の部門を名指しすることをためらう傾向があり、より協調的な戦略を取っていると見られます。一方、欧州の回答者の94%は、新しいIoTプロトコルの決定権限者として取締役会/経営幹部を挙げています。

まとめ

 IoTの台頭は機器間の通信方法に急激な変化をもたらしており、接続機器の増加に伴ってIoTプロトコルの導入と重要性が増す一方です。データ通信における混乱の発生を防ぐために、しっかりと計画を立てて最適なIoTプロトコルを決定することは、導入する側の肩にかかっています。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/104367

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