アメリカでは1社あたり100以上のSaaSが導入されているとされ、日本でも年々規模を拡大しているSaaS市場。その一方、複数のSaaSを導入することで生じる課題も多い。複数のSaaSで顧客情報を管理する場合、情報が更新された際はそれぞれにログインをし作業しなければならない。当然操作方法やアカウント情報が異なるため、導入するSaaSが多いほど煩雑化し、社内で定着させるのは容易ではない。業務効率化のために導入したSaaSがそれを阻んでいるケースは多いのではないか。これらの課題を解決するカギと期待されるのが、SaaS連携データベース「Yoom」だ。複数のサービスを統合し管理するクラウド上のプラットフォームiPaaS (Integration Platform as a Service)の機能を持ったデータベースなのだが、ノーコードで使えるというのだから驚きだ。

情報を集約し、業務フローを自動化
YoomはあらゆるSaaSと連携することで業務の自動化や情報の一括管理を行うサービス。例えば、Googleスプレッドシートや会計ソフトのfreee、電子契約サービスのクラウドサイン、チャットツールのChatworkなど、各SaaSの中に格納されている情報を紐付け、一つのデータベースとして集約し、そこから業務フローを構築・自動化することができる。
 人事担当が行う入社受け入れ業務を例に挙げてみると、社員情報の登録、雇用契約書の締結、メールアドレスや各種社内システムのアカウント発行、人事システムへの登録など、ざっと挙げるだけでも使用するSaaSの数は多岐に渡る。人事担当者にはそれだけの工数が発生するだけでなく、時間に換算できないストレスもかかる。Yoomを使えば、社員情報を一度登録するだけで多くの業務フローを自動化することができる。人の目で確認が必要な業務に関しては、担当者に確認を依頼するメールを自動送付。承認されなければ次のフローには進めないため、ミスが起こりづらいように設計されている。
 50人以上の入社対応にかかっていた時間を、Yoom導入したことで月間数十時間短縮することができた導入企業もいるという。

他にも、Googleスプレッドシートに入力した内容からクラウドサインで契約書を作成・送付し、契約締結したらPDF化してGoogleドライブに格納するなど、あらゆる業務において活用できる。2022年9月にはデータコネクト機能をリリースし、クリックするだけで各SaaS内の情報がYoomのデータベースで一括管理でき、サービス連携もよりスムーズにできるようになった。

目指したのは誰にでも使いこなせるシステム
業務を効率化し、利便性を上げるためのSaaSへのニーズが高まる一方、アカウント管理やシステムごとの情報連携、情報の集約に課題感を抱える企業は多い。退職した社員のアカウント削除が行われず放置されたままになっていたり、社内で管理下にない、いわゆる「野良SaaS」による情報漏洩などのトラブルも世間では少なくない。特に、情報システム部などの専門部署を持たない中小企業では多いという。

「Yoomを開発する上で特にこだわった点は二つあります。
 一つ目は、専門知識がなくても直観的に使えるUIにすること。企業が大規模な業務効率化をしようとすると、一般的には情報システム部などがシステムを構築します。しかしそれができるのは一定以上の規模の企業。現場レベルでは使いこなせなかったり、担当者が変わると手に負えなくなってしまうこともしばしば。私たちは中小企業や、ITリテラシーがそこまで高くない人でも使いこなせるサービスを目指しています。実際にYoomを活用くださっているお客様のほとんどは、人事や経理などIT分野以外の方で、みなさまご自身でワークフローを組んでいるようです。誰でも使えるシステムにすることで、業務の属人化をなくしたいと考えています。
 業務フローを組むにあたっては、カスタマーサクセスチームがチャットやWEB会議で随時サポートするので、一切専門知識がなくても安心してご利用いただけます。100年続く葬儀会社や工務店など、これまでIT化とは縁遠かった業界の企業様で、Yoomを使ってDX化に取り組んでいるケースも多いです。
 二つ目のこだわりは、使いやすい価格設定。ある程度人員にも予算にも余裕のある大企業と比べ、中小企業は新規サービスの導入や業務自動化に取り組むまでのハードルが非常に高いもの。私たちはそのハードルを下げるため、無料から使えるプランを用意しています」(Yoom株式会社代表取締役 波戸﨑 駿氏)

人々に時間を取り戻し、より豊かな暮らしを届けたい
「私たちは”We make time/テクノロジーを用いて人々に時間を取り戻す”という言葉をビジョンに掲げています。SaaSをはじめとするITの進歩によって仕事は便利になるはずが、かえって『SaaS疲れ』のような現象が起きてしまっている現状を変えたい。Yoomを使って、雑務に追われる時間を少しでも減らすことで、人間にしかできない仕事、クリエイティブで楽しい仕事に注げる時間を増やしたいという強い思いがあります。こういったニーズは日本だけにとどまりません。すでに市場が先行しているアメリカをはじめ、アジア圏やグローバルマーケットでも今後展開を考えています。
まだまだ開発途上のサービスなので、お客様からもたくさんの要望をいただきます。現在主要アプリとはほとんど連携していますが、お客様のニーズに合わせて連携アプリは日々増やしています。今後は銀行のAPIやAIなど、様々なAPIとの連携を目指し、Yoomによって様々な業務が自動化され、豊かになる未来を実現したいと考えています」(波戸﨑氏)

Yoom株式会社代表取締役 波戸﨑 駿氏
https://yoom.fun/

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