シード期には明確な「終わり」があります。つまり、資金が尽きた時です。私はここ1カ月ほど幾つかのスタートアップを取材したのですが、それぞれのプロダクトの素晴らしさはもちろん、同時に彼らは「波の待ち方・乗り方」が大変優れた数社でもありました。ここにケーススタディを共有することで、これから起業する方の参考になればとまとめてみようと思います。スタートアップにおける初期のマイルストーンにPMFがあります。いわゆるプロダクトが自走する段階で、市場がその価値を認めてサービスを利用・購入し、かつ、オーガニックにその利用数が伸びていく状況です。KPIは明確で、経営陣はもとよりチーム全員が毎日何をやれば自社の資産が積み上がるか理解しています。P/LよりもB/Sが積み上がるイメージです。一方でここまでに至るには、市場の痛みを発見し、そこに対して誰よりもよい体験を提供しなければなりません。ここ最近大きく話題になった音声ソーシャルの市場は日本国内でも数年前からあるあると言われながらなかなかトレンドには至っていませんでしたが、コロナ禍における人恋しさやClubhouseのバイラルの巧みさなどが相まって一気にトレンド入りしたのはご存知の通りです。市場ペインや提供体験、そしてトレンド・テクノロジーなど複雑すぎるほどの変数がピッタリと重なるタイミングを見つけるのは本当に奇跡です。スタートアップが難しいと言われる所以はここにあります。では起業家はどのようにしてこのタイミングを見つけるのでしょうか。ひとつの答えに「波が来るまで待つ」という方法があります。シード期に必要な資金はチーム構成にもよりますが、業務委託など含めて4〜5人を回すにはやはり年間で最低でも数千万円必要になります。飴を舐めながら我慢してという方法もかつてはありましたが、今はステージも変わっています。
シード期の「波乗り」に優れた4社、彼らの資金調達方法とは | BRIDGE(ブリッジ)テクノロジー&スタートアップ情報 (thebridge.jp)