「Linux」は長年にわたりクラウド上のサーバーに搭載されてきたが、クラウドが急激に拡大したこと、そしてLinuxがクラウド専用に設計されたものではないことを考慮すると、何かを変える必要があることは明らかだった。

 その変化をもたらすのは、「Ingres」「PostgreSQL」「VoltDB」の開発に携わったMichael Stonebraker氏と、「Apache Spark」の生みの親でDatabriskの共同創設者/最高技術責任者(CTO)であるMatei Zaharia氏かもしれない。両氏はマサチューセッツ工科大学(MIT)のチームと協力して、「DBOS」(別名「DataBase OS」)という革新的なOSを開発した。

DBOSの開発は2022年に始まった。DBOS Inc.の共同創設者であるPeter Craft氏とQian Li氏は最初のブログ投稿で次のように書いている。「次世代のOSはデータベース指向であるべきだと考えている。というのも、データベースは現代のコンピューティングの困難な問題を解決するために構築されているからだ。現在のデータベースは、ペタバイト規模のデータを管理でき、分散化されて、クラウドネイティブ化が進んでおり、きめ細かなアクセス制御と来歴追跡によるデータの保護と管理が可能だ。同様に重要なことに、VoltDBや『FoundationDB』といった現代的な分散型インメモリーデータストアは、極めて高速になりつつある。後で示すように、それらは従来のディスクベースのリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)では実行できない多くのOSサービスを効率的に実行できるほど高速だ」

 両氏はさらに、以下の2つの原則に基づいたデータベース指向OSの構築を提案した。

すべてのアプリケーションとOSの状態が、分散データベースのテーブルに保存される。
状態には、データベーストランザクションによってのみアクセスできる。
 このOSは以下の4つのレベルで構成されている。

ユーザーアプリケーション
ファイルシステム/スケジューラー/IPC/その他のOSサービス
分散DBMS
マイクロカーネルサービス
 DBOSでは、OSのサービスが分散DBMSにおいてSQLでコーディングされる。これは、データベース管理システムをOS上のユーザー領域内で実行する従来の方法と大きく異なる。

 創設者らはDBOSのプロトタイプの開発に成功した後、DBOS, Inc.の資金を確保した。このOSは現在、無料で試用できるほか、カスタムプランについて営業担当者に問い合わせることができる。新規アカウントを作成するには、Googleアカウントでサインインする。サインインすると「Getting Started」(はじめに)ページが表示され、次のように指示される。

SDKをダウンロードして「Hello, Database!」アプリケーションをコンピューター上で実行する(「SDK Quickstart」を参照)。
アプリケーションをクラウドに展開する(「Cloud Quickstart」を参照)。
 DBOSのSDKは、「Ubuntu Linux」「macOS」「Windows」(「WSL」を使用)にインストールできる。「Node.js 20」以降が必要で、「Docker」を使用してアプリをOSに展開する。

 DBOSの最大の利点の1つは、信頼性の高い実行だ。すなわち、アプリケーションが中断しても、止まったところから自動的に再開される。

 ここで大きな疑問がある。企業はLinux依存から脱却して、クラウド中心のOSという全く新しいアプローチを採用することに関心を持つだろうか。
https://japan.zdnet.com/article/35217495/

©2024 CYBER.NE.JPfrom STAD

CONTACT US

We're not around right now. But you can send us an email and we'll get back to you, asap.

Sending

Log in with your credentials

or    

Forgot your details?

Create Account