アクセンチュアは、世界のテクノロジートレンドに関する最新の調査レポート「Accenture Technology Vision 2022(テクノロジービジョン2022)」を発表した。
 同調査は、公的機関や民間企業、研究機関、ベンチャーキャピタル、ベンチャー企業に在籍する25名以上の有識者で構成される「テクノロジービジョン外部諮問委員会」から収集された知見を参考に作成された。
 また、テクノロジービジョンの編さんチームは、テクノロジー分野の有識者や業界の専門家、アクセンチュアの経営幹部に対するインタビューを実施するとともに、世界2万4,000人の消費者に対して調査を行ったほか、日本を含む35カ国、23の業界にわたる4,650人の上級役職者や役員も対象に調査を行ったとしている。
 今回のレポートでは、「メタバースで会いましょう – ビジネスを再創造するテクノロジーと体験の融合」と題し、拡張現実やブロックチェーン、デジタルツイン、エッジコンピューティングなどのテクノロジーによって、人々の体験のあり方が変わりつつある中、企業は従来の事業計画とは異なる未来に向かって競争を始めていることが紹介されている。
 アクセンチュアのテクノロジー担当グループ・チーフ・エグゼクティブ 兼 最高技術責任者であるポール・ドーアティ氏は「メタバースという次世代インターネットの勃興により、かつてない規模でデジタルトランスフォーメーション(DX)の流れが加速し、私たちの生活や働き方は大きく変化するでしょう。アクセンチュアでは、一般的な狭義のメタバースとは異なり、社会の至るところに遍在するテクノロジーとしてメタバースを捉えています。企業はいま行動を起こさなければ、他社が自らのために作り出したビジネス環境下での競争を強いられることになります」とコメントした。
 企業経営層およびIT担当幹部を対象に実施した調査では、メタバースの黎明期である現段階において、調査対象者の71%が「メタバースは自社にポジティブなインパクトをもたらす」と回答し、42%が「メタバースは画期的もしくは革新的なものになる」と回答したという。

 「テクノロジービジョン2022」では、こうしたメタバース黎明期のビジネス環境下において、企業が押さえるべき以下4つのテクノロジートレンドを定義している。

WebMe ― メタバースの中の「私」
メタバースやWeb3.0により、インターネットは形を変えつつある。メタバースは、さまざまなサイトやアプリの集合体ではなく、今後は歩いて部屋を移動することと同じくらい簡単に、ある場所から別の場所への移動を可能とする、一貫性のある三次元空間となる。
 今回の調査では、企業経営層やIT担当幹部の95%が「将来のデジタルプラットフォームでは一貫した体験を提供し、異なるプラットフォームや空間における顧客データの相互運用を実現する必要がある」と回答したという。

プログラム可能な世界 ― 世の中をパーソナライズする
5G、アンビエントコンピューティング(環境に溶け込んだコンピュータ)、拡張現実、スマートマテリアル(知能材料)といった新興テクノロジーが進化するにつれ、デジタル環境は現実世界にますます編み込まれていく。こうした環境では、人々が世の中と繋がる方法や内容が変わるだけでなく、人々の感覚や交流方法、およびそれらをコントロールする方法が一新される。
 今回の調査では、92%が「先進企業が仮想世界の垣根を取り払い現実に近づけることで、仮想世界と現実世界の一貫性に対するニーズは高まるだろう」と回答したとしている。
アンリアル ― 本物の世界を人工的に作る
企業や業界は、AIが生成する、現実世界を反映したデータの利活用をより一層進めている。企業や消費者が、企業のコンテンツやアルゴリズム、ブランドそのものに関して、リアルかフェイクのどちらかではなく、信頼のおける本物であるか否かを重視する中、AIの活用はこれまで以上に企業の最重要課題となっている。

 今回の調査では、すでに96%が「データの出処や偽りのないAI活用の立証に取り組んでいる」と回答したという。
 不可能を可能にするコンピューティング ― 新たなマシンが可能性を切り開く
量子コンピューティングや生物学に基づくコンピューティングなどの手法により、従来のコンピューティングでは費用や効率性がまったく見合わなかった困難な課題を企業が解決できるようになった。壮大な取り組みだったものがありふれた業務になるにつれ、競争や価値創出、協業のあり方は大きく変化する。
 今回の調査では、94%が「難解に見える課題の解決に向けて次世代コンピューティングを活用することが長期的な成功を左右する」と回答したとしている。
 アクセンチュアは、こうした競争環境において企業の成長を支援するため、メタバース専門の新組織「アクセンチュア メタバース コンティニウム ビジネスグループ」を設立したことも併せて発表した。
 アクセンチュアでは、独自のメタバース「Nth Floor」を運営しており、新入社員オリエンテーションやイマーシブ(没入)型のトレーニングのほか、チームミーティングや交流の場として活用しおり、2022年は15万人以上の新入社員が入社初日にメタバース上で勤務する予定だとしている。
https://news.mynavi.jp/techplus/article/20220325-2303696/

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