1.日時

令和5年6月19日(月曜日)14時00分~16時00分

2.場所

オンライン会議

3.議題

  1. 議事運営等について
  2. 新しい「デジタル・ライブラリー」の在り方について
  3. その他

4.出席者

委員

竹内主査、林主査代理、大山委員、小山委員、杉田委員、西岡委員、日向委員、松原委員

文部科学省

森研究振興局長、工藤参事官(情報担当)、藤澤学術基盤整備室長、吉田参事官補佐

5.議事録

○事務局から「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会の議事運営等について(案)について説明があり、了承された。
○主査代理に「2030デジタル・ライブラリー」推進に関する検討会の議事運営等について第2条第4項に基づき、竹内主査が林委員を指名した。
(傍聴者入室)
【竹内主査】  それでは、議題(2)新しい「デジタル・ライブラリー」の在り方についての審議に移りたいと思います。
 まず、私のほうから、オープンサイエンス時代における今後の大学図書館の在り方検討部会における審議状況や、本検討会で御議論いただきたい内容等について説明をさせていただきたいと思います。
 資料といたしましては、参考資料1、オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方について(審議のまとめ)を参照いただければと思います。
 オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会は、2022年2月から2023年1月までの間に8回の審議を行いました。
 検討部会は、国公私立大学の附属図書館長あるいはその御経験のある先生方、図書館情報学、著作権法に関する研究者から構成され、また、オブザーバーとして、国立国会図書館からも御参加いただきました。
 本日は御欠席ですが、本検討会のメンバーである九州大学の石田先生が委員として御参加くださいました。
 大学図書館機能については、かつては連続性のある発展をしてきたと言えると考えておりますけれども、2010年代以降からの教育・学習支援機能の充実、また、近年のオープンサイエンスに係る研究支援機能の拡充については、従来の大学図書館機能からはいささか大きな飛躍が求められています。
 また、2020年春以降のCOVID-19パンデミック下において、大学図書館へのアクセスが制限され、さらに、このことが教育・研究に大きな影響を与えたことも、物理的な場に制約されない新しい大学図書館の在り方を後押ししたと考えています。
 今回の審議においては、大学図書館の本質は何かということを踏まえつつ、現下の状況に対応した大学図書館機能を実現するために何をすべきかという観点から審議を行いました。
 キーとなるのは「デジタル・ライブラリー」という概念ですが、これは、2021年9月30日の科学技術・学術審議会学術分科会情報委員会「コロナ新時代に向けた今後の学術研究及び情報科学技術の振興方策について(提言)」において示されたものです。
 ここでいう「デジタル・ライブラリー」は、1990年代に盛んに議論された「電子図書館」構想をさらに展開させたもので、コンテンツのデジタル化を経た結果として意識される、運営やサービス、職員の知識やスキルの変革などを内包し、自身のデジタル・トランスフォーメーションを推進する大学図書館のことを指すものです。
 検討部会では、この「デジタル・ライブラリー」を我が国の大学図書館が目指すべき姿として捉え、これを次期科学技術・イノベーション基本計画が終了する2030年度を目途に実現するものと位置づけて、コンテンツとそれに関わるサービス、サービス環境、人材の育成と確保、これらを実現する上で不可欠な大学図書館間あるいは他の学術情報提供機関との連携という4つの側面から、実現に至るための方策について検討しました。
 第1の点であるコンテンツとそれに関わる機能やサービスに関して鍵になるのは、既存のコンテンツをデジタル化することと、今後、学術研究等の成果として生み出されるコンテンツをオープン化することです。
 過去の蔵書のデジタル化に関しては、国立国会図書館等の機関でデジタル化が進展していることを踏まえ、大学図書館は、それらを補完するようなデジタル化を進め、デジタル化されたコンテンツへのアクセス環境を最適化することで、教育・研究に資する全国規模のデジタルコンテンツ基盤を構築し、それを利活用するという方向性を示しました。
 また、今後生み出される研究成果については、機関リポジトリ等を通じた学術論文等のオープンアクセスを積極的に進めるとともに、永続的なアクセスを保証する必要があることを明記しています。
 また、雑誌論文のみならず、図書等についても、商業流通がなじまない著作物を中心に、大学図書館がデジタル化、オープン化を担う可能性についても検討すべきとしています。
 オープンサイエンスにおいては、オープンアクセスと並んで、研究データのオープン化が重要になっています。基本的な考え方として、研究データから始まる知識の再構築に対応し得る、研究者の立場に立った研究データ管理環境及びその支援体制の構築が求められているという認識を示し、その支援においては、研究のライフサイクルの各段階において様々な人材が必要で、大学図書館もそこに関与するという枠組みを示しました。これに関与する者が、それぞれの役割を明確にした上で連携協力し、利用者としての研究者にとって効果的な支援体制を構築することが求められています。
 大学図書館が果たすべき役割としては、まずは公開されている研究データの発見可能性を高めることがあり、そのためには、研究者、データ、そのデータを用いた研究の成果としての論文に識別子が付与されていることを前提に、それらをひもづけるようなシステムの構築が必要であると述べています。
 教育に関しては、授業目的公衆送信補償金制度の創設などを踏まえ、著作物を扱い、著作権法について知識のある大学図書館が、情報リテラシー教育としての著作権教育や個別の事例についてのコンサルテーションを担当することも考えられるとしています。
 第2点であるサービス環境としての「場」ということについてですが、「デジタル・ライブラリー」の実現のためには、大学図書館機能を物理的な「場」に制約されない形で定義することが必要となります。そのために、ここでは、「ライブラリー・スキーマ」と名づけられた論理構造を明確にし、それを基礎に、様々な利用者に適した図書館のサービスをデザインすることを提案しています。
 また、大学図書館が行っている既存の業務について、あらゆる点で見直す必要がありますが、特に近年大学図書館が主導してきたラーニング・コモンズについては、その成果を評価した上で見直しを求めています。これは、学修環境については大学全体として再構築すべきとの考えに立つからです。
 なお、「デジタル・ライブラリー」の実現により、物理的な場が不要になるわけではなく、物理的な場としての大学図書館は、物理的な空間と仮想的な空間が融合する場として、あるいは、仮想的な空間に対する高度なインターフェースといった付加価値を持つ場として発展するものと位置づけました。
 第3の人材の育成と確保については、「デジタル・ライブラリー」を実現する上で、大学図書館で働く職員に必要な知識やスキルについて整理・検討した上で、その専門性を認定する制度の構築などを進め、専門職としての能力開発の促進、新たなキャリアパスの形成など、構造的な課題の解消を目指すとしています。
 大学図書館業務は、高度な知識やスキルが求められるものが多くなっているにもかかわらず、その専門人材は不足しており、また、専門家として確立されていません。専門人材については、継続的に人材の育成・確保が重要ですが、現状として、キャリアパスが確立されていないために、適切な人材が得にくくなっています。これらの専門人材のキャリアパスやポジションの確立など、構造的な課題を解消するための仕組みを整備することを国の責務として明記しました。
 また、それぞれの大学図書館の規模が小さい我が国では、専門人材の配置・育成に個々で取り組むには限界があるため、後述するように、大学図書館間でコンソーシアムを組むなど、複数の大学が連携して対応することも検討すべきとしています。
 また、現職の教職員に対するSDやFD、今後の状況変化に対応するために、リカレント教育の重要性を指摘し、大学には、職員自らのリカレント教育に対する意欲を向上させるなど、組織的に支援を行う必要があるとしました。
 このような、今後の大学図書館の役割の明確化と、それに基づく業務の再構築の考え方を踏まえ、各大学は、大学全体における人的資源配分の見直しや、教育・研究推進体制の構築等と連動する形で、大学図書館における組織体制と人的資源配分を見直すことを求めています。
 第4に、効果的な連携についてですが、「デジタル・ライブラリー」の実現に向け、「一大学一図書館」という前提にとらわれず、例えば、複数の大学図書館でコンソーシアムを形成するなど、相互運用の観点から連携して対応するとしています。
 大学設置基準においては、大学に必要な施設として図書館が挙げられており、各大学が責任を持って大学図書館を設置し、適切な人材を割り当て、運営していく責任を有することについては議論の余地がありません。しかし、大学図書館に求められる新たな機能やサービス、それに伴う人材の配置・育成を考えると、大学内における関係部署との協働や一大学図書館だけで対応することは容易でないと考えられることから、「デジタル・ライブラリー」においては、必ずしも「一大学で完結する形で一つの図書館システムを整備する」という前提にとらわれず、複数の大学図書館でコンソーシアムを形成するなどして対応することを有力な手段と捉えています。また、そのような「デジタル・ライブラリー」構想を実現する過程で新たに生じる共通の課題等を検討する場を国において設置し、新たな支援方策等を検討すると述べ、国が推進する責務を負うことも明確にいたしました。
 最後に、まとめとして、「デジタル・ライブラリー」の実現に向けて、大学全体として取り組む必要があることを述べ、大学図書館が主体となりつつも、大学執行部において全学的な取組として対応されるべきものであるとしました。
 また、各大学図書館には、上記の4つの観点から述べられた具体化のための方策について、各大学のミッションに沿って、優先的に扱うべき課題から取り組むことを求めています。
 2030年という当面目指すべき具体化に向けて、さらに検討が必要なことが残されています。事項によっては、抽象的な記述にとどまり、具体性に欠ける点もあります。また、大きな飛躍を求めているがゆえに、大学図書館の現場には戸惑いを感じている方もいるかと思います。
 本検討会においては、「審議のまとめ」が示している方向性に沿って、どのような大学図書館の位置づけを目指すのか、そのために、今後具体的に何をしていくのか、また、それを実現するための隘路は何か、それを克服する手段は何かということを議論することが求められています。
 これまでの慣習ややり方に必ずしも縛られず、大学図書館がその本質的な機能を果たし続けるためにどうあるべきか、真摯に議論をしていきたいと思います。委員の皆様方の御協力をよろしくお願いいたします。
【藤澤学術基盤整備室長】  では、続きまして、私のほうから、今の竹内主査から御説明していただいたそれぞれ4つの課題につきまして、2030年の望ましい大学図書館の姿、また、実現に向けた課題ということで、資料4に基づき説明させていただきます。
 まず、この資料4ですが、今申し上げましたとおり、大きく4つに分かれています。新たなサービス機能、「場」としての機能、人材、さらに効果的な連携ということで、4つに分かれております。
 まず、教育・研究支援機能、新たなサービスというところで、左側のほうに理念が書かれていますが、ここは先ほど竹内主査から御説明していただいたということで、こちらは飛ばしますけれども、ここでは(1)につきましては、1から6まで、それぞれまとめております。
 真ん中に2030年の望ましい図書館の姿ということで、これは本来であれば一対一で対応できればいいところなんですけれども、なかなか一つ対応できないというところで、こちらで特に1から6までという形はつけていません。また同じく、検討すべき課題も、そういう形ではつけておりませんので、御了承ください。
 では、真ん中の2030年の望ましい大学図書館の姿というところから、事務局で考えた案を読み上げさせていただきます。
 まず、1つ目でございますが、国立国会図書館を中心とした、各機関が公開しているデジタルコンテンツを、利用者がシームレスに利用できる統合的なプラットフォームを実現している。
 2つ目でございます。オープンアクセスポリシーの策定や改訂等を通じ、セルフアーカイブを促進することで、安定的な保存と公開を担保する。
 3つ目でございます。大学出版会などの出版社と連携し、学術書のデジタル出版活動のモデルを示し、出版のデジタル化を促進するということ。
 4つ目でございます。研究データポリシーの策定、改訂等を通じ、統一的な規則に基づく一定水準のメタデータの付与が実施できる体制が整っている。多様な既存の識別子を、メタデータとシームレスにひもづけられるシステムが運用されている。
 次でございます。リカレント教育等により権利処理に精通した人材を育て、デジタル資料の利用をサポートする部署に配置し、学生・教員のコンテンツ利用を促進するということを書かせてもらっております。
 それに向けて検討すべき課題として、まず1つ目でございますけれども、国立国会図書館との連携体制を整備し、必要に応じてデジタル化したコンテンツの提供システム等を構築するということ。
 2つ目でございます。オープンアクセスに関する世界的動向を踏まえ、実効性のあるオープンアクセスポリシーを策定する。併せて研究データポリシーの策定も進める。
 3つ目です。出版に係る業務の質を担保するため、ノウハウや電子的な流通に関する技術的な知見をどのように習得し運用するか。
 4つ目です。リテラシー支援、データキュレーション支援に関する研修・教育内容等の検討が必要ではないか。
 次です。既存の多様な識別子をひもづけるシステムの構築が必要。
 次です。著作権の研修には、著作権法の改定に応じた最新の動向の把握も含めた知識の修得と併せて、実務的なスキルも求められるため、著作権の専門人材が現場でアドバイスを行いながら人材を養成していく仕組みが必要ではないかということでございます。
 2つ目でございます。「場」としての大学図書館の効果的な活用、2030年の望ましい姿ということで、VR、オンラインツール等の活用により、レファレンス等の現行の対面サービスが、大学図書館に足を運ばずに利用することができるということ。
 2つ目でございます。各大学図書館において、自らの存在を規定する基本的な論理構造としての「ライブラリー・スキーマ」が明確となっており、利用者の立場ごとに異なる仮想空間が設けられている。
 3つ目です。大学図書館には、最新の技術を活用して通常では体験できないようなVR等の体験ができる環境が整備され、VRなどを用いて紙の資料も電子資料も統合的に検索できるとともに、その環境も高度にパーソナライズされている。
 それに向けた課題といたしましては、まず、1つ目でございますが、各大学図書館が使う資料のデジタル化、日本語学術書の電子出版の推進など、電子的なコンテンツの充実を図るということ。
 あと、「ライブラリー・スキーマ」の明確化と、関係者間の共有ということでございます。
 3つ目、人材でございます。
 まず、2030年の望ましい姿ということでございますけれども、各大学図書館に研究データ管理、各研究分野の研究ライフサイクル等に関する高度な知識やスキルを有する専門人材が適切に配置され、各種支援業務が行われているということ。
 2つ目です。専門人材の業務の評価が適切に行われ、最終的に大学全体のマネジメント業務に従事するようなキャリアパス制度が確立している。
 3つ目です。研究データの管理・利活用をはじめとする各種研究支援業務の実施に当たり、図書館を含めた大学内の関係部署が適時適切に連携・協力する体制が構築されている。
 4つ目です。大学全体の教育・研究戦略等における図書館の役割等が明確化され、組織体制の整備や専門人材の配置等のマネジメントが行われている。
 図書館職員がリカレント教育を受ける環境が整備されている。その実績を評価・認定する制度が構築され、人事評価等にも適切に反映されている。
 それに向けた課題といたしまして、1つ目でございますけれども、各大学の現行の図書職員の採用制度、研修制度、キャリアパス等を把握しつつ、国内のみならず海外の動向も踏まえて見直しを行う。
 研究データの管理・活用や各分野の研究支援活動に求められる知識やスキルの整理、教育研修プログラム等の検討。
 各大学における関係部署との連携体制の構築、具体的な連携内容や役割分担、全学的な専門人材の配置方針等の検討。
 リカレント教育に関する研修・教育内容、評価システム等の検討でございます。
 最後、4つ目でございます。大学図書館間の効果的な連携ということでございます。
 まず、2030年の望ましい大学図書館の姿といたしまして、大学図書館間の連携にとどまらず、日本医学図書館協会や専門図書館協会など、地域・規模・分野等の要素に鑑みた適切な連携を実施している。
 あとは、(1)から(3)の検討状況を踏まえ、本検討会において検討するという形になるかと思います。
 また、課題といたしましては、連携を進めていくに当たって生じる課題の洗い出しのための調査の検討。
 また、2030年に実現する「デジタル・ライブラリー」像を具体化するとともに、バックキャスト的にマイルストーン、ロードマップを作成するということです。これにつきましては、検討会での議論を踏まえ、適宜見直しを行うというような形でございます。
 以上でございます。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 今御説明いただいたことを振り返る形になりますけれども、資料4では、「審議まとめ」において言及された考え方のようなものがあるので、その考え方を踏まえると2030年の望ましい大学図書館の姿は具体的にどのようなものになってくるかということを書いていきたいということです。あくまでも現段階では事務局で作成していただきましたたたき台でございますので、この検討会で御意見をいただきながら、より具体性のある、また、2030年にふさわしいものにブラッシュアップをしていくというプロセスを経ることになるだろうと思っています。
 その上で、それを実現していくためには何が課題なのかということを特定して明記し、最後のところにございましたように、全体としては、2030年に実現する「デジタル・ライブラリー」像を具体化するとともに、それからバックキャスト的にマイルストーンやロードマップを作成するというようなイメージを持っているところです。
 この検討会ではなるべくでは具体的な議論をしていきたいと考えておりまして、理念というか方向性については「審議まとめ」のほうで示したという理解であります。もちろん、不十分な点があるかと思いますので、それについては、また御意見をいただきながらということになりますが、我々の当面の目標としては、先ほど申し上げたとおり、2030年の望ましい大学図書館の姿を描き、そして、その実現に向けて検討すべき課題は何かということを明確にしていくということです。
 とりわけここで議論を進めていきたいのが、一つ一つの図書館が対応できることより、大学図書館全体として、あるいは、国のレベルで対応していかなければならないようなことを中心に議論を進めていけるのが一番よろしいのではないかと考えているところでございます。
 前提となっております「審議まとめ」の中の議論をひょっとしたら十分御存じではないということもあるかもしれませんので、その辺の不明点も含めて、今日は自由に御意見をいただきたいと思います。
 特に順序立ててということがあるわけではないんですけれども、まず全体について何か御意見、御質問等があればお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
【小山委員】  では、私から。
【竹内主査】  小山委員、どうぞ。
【小山委員】  御説明いただきましてありがとうございます。
 今回初めて参加いたします。よろしくお願いします。
 全体という視点から、私がこの「審議まとめ」を拝読して、一番重要だなと思っているのは、1ページ目の「はじめに」の2段落目です。
 「これらは、各時代の大学図書館にとっての最重要課題であり、その報告に基づいて我が国の大学図書館はその機能を拡張し、大学図書館が実現すべき機能や利活用の手段、サービスなどの革新を志向してきた。一方、これらの議論において一貫していたのは、大学図書館は、情報やデータ、知識が記録されることを前提として、大学における教育・研究の文脈においてそれらの発見可能性を高め、アクセスを保証し、また利活用できるようにすることで継続的に知が再生産されるようなシステムを維持するために存在するとの本質的認識に立っていたということである」。
 これまで様々な政策が検討されてきた中で、大学図書館としての一番基本的な姿勢といいますか、使命はここにあるんだなというふうに考えておりました。ここにあるように、現在の、あるいは未来にわたって大学図書館が、大学あるいは学術界においてその機能を発揮できるような、その方向性をぜひ具体的に示すことができるような議論に関わっていけたらなとまず考えました。
 あと1点だけ。そのときに、「審議まとめ」では「ライブラリー・スキーマ」というキーワードが出てまいりましたので、この「ライブラリー・スキーマ」をより具体化する中で、それをどのように表現していくのか。それというのは、今引用した2段落目のところなんですけれども、それをどのように表現、実現できるのかということを、私も一所懸命考えていきたいと思っております。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 私が先ほどの説明の中でもう一度言うべきだったなと思っていたところを、小山先生から御指摘いただきました。
 つまり、大学図書館とは一体どういう場所か、どういう機能かということについての基本的な理解にかかる部分で、これは、これから我々がこの検討会で議論していく上で言ってみれば背骨のようなものになるかなと思っているところでございます。
 やはりこれからの議論で必要なのは、様々な変化が大学、あるいは大学における研究ないし教育に起きている、起きつつある中で、それらにうまく適合していきながら、大学図書館のあるべき姿は何かというときに、変えてはいけない部分、譲ってはいけない部分が、ここに書かれている「大学図書館は、情報やデータ、知識が記録されることを前提として、大学における教育・研究の文脈において」という、そこの部分ですね。これをどのように実現し得るかということを、我々は具体的に2030年を目指してきちんと示していくということが重要であるという、そのポイントであると思います。
 もちろん、この点についてもいろいろな御意見もあるかと思いますし、また、そのほかの部分でも、全体に関してもいろいろ御意見等あるかと思いますので、引き続き御意見を頂戴したいと思います。よろしくお願いいたします。
 松原委員、どうぞ。
【松原委員】  松原でございます。
 今回、この「審議まとめ」を拝見し、非常に重要な視点についてまとめていただいたなと感じています。
 私自身も何となく感じていたこと、特に、図書館という組織の大学内における位置づけや、他の部署との連携、また、大学と大学の間の垣根を取り払うという意味で、大学間の連携ということに関して具体的に示していただいています。今後の図書館の持続可能性、あるいは、拡張といった点でも非常に有望な考え方かなと思いまして、大学に所属する者としては、その実現に向けて検討を進めていければと考えております。
 先ほど小山委員からもありましたとおり、新しい概念が出てきています。「ライブラリー・スキーマ」というものは、私も初めて聞きました。ですので、それはどういった概念なのか。ここで説明されているものを拝見する限りでは、図書館の業務を整理する、あるいは、機能を拡張していくに当たって非常に重要な考え方かなと思っています。一方で、具体的にどういったことをイメージすればいいのかというのは、まだ定まらないところもありますので、その実現に寄与できればと考えています。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 「ライブラリー・スキーマ」という概念は、大変新しいものでございまして、これまでこういった政策文書の中でも出てきておりませんし、図書館情報学の本の中にも出てきているかというと出てきていない新しいもので、これにつきましては、責任を押しつけるわけではございませんけれども、東大の坂井附属図書館長のインベンションと申しますか、御提案でございました。
 参考資料1にございます「審議まとめ」の17ページに、用語解説として「ライブラリー・スキーマ」の説明がございまして、「図書館のサービスをデザインする上で必要となる基本的な論理構造のこと」であるというふうに説明がされております。これは「物理的空間のデザインなどのハード面、様々なコンテンツの提供や図書館員によるサービスなどのソフト面、その両者の関係性、を定義するものであり、これを具体化したものが、実際に存在する図書館とそこで提供されるサービスとなる。図書館ごとに唯一のライブラリー・スキーマが定められるが、利用者の属性(分野や立場等)によって、見え方が異なる点に留意が必要である」というふうになっているところでございます。
 これについて言うと、やはり基本的な論理構造だというところが多分一つ大きなポイントです。これまで図書館に関わってきた人間にとっては、目の前に見えている図書館を説明することで図書館を定義したつもりになっていたというところがあるのではないかと思います。しかしながら、全く新しい形の図書館のサービスをデザインしようとすると、今、我々が目の前にあるものだけでそれを説明しようとして、もううまくいかないということが出てくるので、抽象度のかなり高いものとして図書館のサービスをデザインするには基本的な論理構造を明確にする必要があるのではないかというのが、今回この「ライブラリー・スキーマ」という言葉が出てきた一番大きなポイントだろうと思っております。
 そうでなければ、気をつけないと、今目の前にある、我々が知っている図書館というものを単にデジタル環境に置き換えて、それをメタバースのようなもので描いたら、それがこれからの図書館だという議論になりかねないわけです。それは恐らく長期的にこれからの大学図書館像を考えていく上では決してプラスになることではないはずで、デジタル・トランスフォーメーションということは、先生に申し上げるのは釈迦に説法なんですけれども、今までやってきたことを右から左にデジタル化することではないはずですから、それを乗り越えて、その利用者の属性や、ここで言うところの分野、立場によって見え方が異なってくるような図書館のサービス、あるいは、図書館ごとに一つの「ライブラリー・スキーマ」が定められるけれども、サービスはよりフレキシブルに、あるいは、よりユーザーセントリックにと言ったほうがいいかもしれませんけれども、そのようなものとして提供し得るとして、どのように我々はこれを設計し得るか、デザインし得るかという、その基盤になるというふうに私は理解をしているところでございます。
 これはやっぱり非常に重要なポイントではないかと思っておりまして、先ほど来繰り返し申し上げましたように、図書館の関係者は、とうしても目の前にある形だけで図書館を理解しようとしている。それを何とか乗り越えて、新しいものを、従来の制約にこだわらない、より望ましいものを志向しようとする、そういうことであるというふうに理解しているところでございます。
 坂井先生には「違う」と言われそうな気もいたしますけれども、一応私なりの理解で説明をさせていただきました。
 そのほか、いかがでございましょうか。
【林委員】  よろしいでしょうか。
【竹内主査】  林委員、どうぞ。
【林委員】  今の竹内主査のお話に関して、SPARC Japanという図書館の活動に20年携わってきた者、あるいは、オープンサイエンスの政策に関わってきた者として、やはり共鳴させていただきたいと思っています。
 SPARC Japanで20年活動してきて、一つの命題は、いかに図書館員が“館”から出られるかというのがよく議論されました。物理的な館。やっぱりデジタルなサービスを実現すべきだというのは分かるのですが、どうしたらいいか分からないみたいな議論がずっと繰り返されてきて、機関リポジトリで一つ光明が見えた。ただ、現状を踏まえると、機関リポジトリは大事ですけれども、それでOAの問題のすべてが賄えるわけでもないというのは、皆さんお分かりいただけると思います。
 その一方で、オープンサイエンスは、長期的には根本的に科学と社会の在り方をつくり替えるものというビジョンで、ユネスコ、G7、OECD含めて動いています。そうすると、まさに小山さんが引用されたこのパラグラフのところに図書館機能が立ち返って、その上でデザインをし直すというのは、これはもう歴史的にも必然の流れになるのかなと思います。
 そこで、一つ昔話をさせていただくと、有川先生が内閣府でオープンサイエンスの日本で最初の委員会を立ち上げたときに、2014年の、記憶違いでなければ、多分12月の忘年会のときに、実は図書館“機能”が大事だよねというので、すごく盛り上がったんですね。それは、まさに館とは関係ない、知をつかさどるプラットフォーム及びそこに所属する専門員の在り方というのが問い直されているよねということがやっぱりそこでも議論されていたということで、これはいつかどこかで誰かが言わなければいけない問題だったということで、今回竹内先生が、坂井先生に後押しいただく形で、火中の栗とは言いませんが、拾っていただいたというのは、もう大変すばらしいことなのではないかと思って、後押しの説明をさせていただきました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 御指摘にあったように、この問題は決して新しい問題では実はなくて、ずっと議論してきた話だと思うんですけれども、ただ、やはり2010年代以降のラーニング・コモンズによって進められてきた教育・学修への支援ということと、それから、やはりオープンサイエンスによって、我々が今目の前に課題として見ていることというのは、従来の考え方からすると、やはり大きな飛躍というか展開があるのは事実でございまして、その大きな飛躍が、今回の「審議まとめ」でどうしても抽象的な記述が多くなってしまった要因の一つであるというふうに言い訳はさせていただきたいと思っているところでございます。
 ありがとうございました。
 杉田委員、どうぞ。
【杉田委員】  最初に小山先生が引用して指摘された箇所について、林さんのお話も聞きながら、今このタイミングで私たちが何かを議論をするにあたってはこの「記録」という言葉の意味するところが大事になるものと思います。
 これまで図書館は、特に2000年ぐらいまでは、もっぱら紙にパッケージングされた知識を取り扱ってきた。先ほどオープンサイエンスの話が出ていました。また、ラーニング・コモンズでは目の前で学習活動が進行しています。そこで生まれている、パッケージされる以前の情報、知識、データをどう組織化するのか、あるいは、それらをどう発見・探索できるようにするのかという観点で、「記録」という言葉を以前とは違った意味にとらえなければならない。この点を十分に意識して「ライブラリー・スキーマ」の実装を考える必要があるように思いました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 今の杉田委員の御発言、恐らく従来の図書館が図書とか雑誌という形のパッケージを粒度として取り扱ってきたということを、どのように乗り越えていくのかというような課題の提起だったかと思います。これは非常に重要な問題で、情報流通の粒度の変化が非常に速いですので、それにどのように対応していけるのかということかと思います。
 大山委員からも手が挙がっております。お願いいたします。
【大山委員】  ありがとうございます。大山でございます。
 図書館の現場の人間としての感想なんですけれども、最初に竹内先生からも、「審議のまとめ」が出て、各大学の図書館現場、戸惑いがあるんじゃないかというお話がありましたけれども、実際、私たち感じているのは、やはりその点が非常にありまして、あの「審議のまとめ」、また、今日御作成いただいたたたき台、それぞれ大事なことが書かれていて、それは必要なんだというのは強く思うところです。
 ただ、実際に図書館の人間として、これに対してどうやっていくのか。もちろん、それはこの検討会の場でどんどん協議していくものだとは思うんですけど。2030年までにこの「デジタル・ライブラリー」をつくるという中で、2030年って、あっという間だなという時間の感覚、それと同時に、大学図書館として、これに対して継続的に取り組んでいくには、やはりそれなりの時間がかかるものだというふうにも思っています。
 大学の図書館、館長や職員、どんどん変わっていきますので、その辺り、継続的に対応できるような、そういった何か図書館側が受け止めやすいような形で、本検討会で私自身議論していければいいかなと感じた次第です。
 各大学図書館、個別の館でやること、また、国公私の図書館協会ですとか、いろいろな団体でやること、また、いつまでにやるんだということですとか、誰がいつまでにやるというところも意識しながら協議できるといいかなと思った次第です。
 以上になります。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 現場のリアルな声をお届けいただいたかと思いますけれども、私からは逆にお願いがございまして、いろんなことに取り組める館は、どんどん取り組んでいただきたいと思います。ここでの議論を待つということではなくて、先に進んでいけるような方向性とパワーを持っている大学図書館は、日本には幾つもあると私は思っておりますので、そういったところが、この検討会で何を言うかということを待っていて動くということはあり得ないと思います。
 これはもうこれまでの過去の様々な政策的な議論と大学図書館の現場の環境を見ても全くそうで、例えば、機関リポジトリなんていうのは、政策が動いてから現場が動いたわけでは決してないわけです。それは大山さんもよく御存じだろうと思いますが。
 若干冗談めいて申し上げますと、例えば杉田委員のように先取の志向の強い方が動くことでモデルが見えてきて、それはいいんじゃないかと、大学図書館が横につながって動いてきて、それが政策を引っ張ったというのが過去の姿ではないかと思います。確かに、今回の審議のまとめは、これまでの政策に比べると飛躍が相当大きいので、現場では大きな戸惑いがあり、どうしていいか分からないということはあると思うんですけれども、大学図書館の現場を見ていると、必ずしもそうではないんじゃないか、いろいろなことをやりたくてうずうずしている人たちがいるんじゃないかというふうに見える部分というのはございますので、ぜひともそこは待たずに、先に行っていただきたいと思います。
 また、多くの方に御理解いただけるような、ということで言えば、先ほどの室長の御説明の後でも申し上げましたけれども、2030年に実現する「デジタル・ライブラリー」像をこの検討会でしっかりと具体的に示していくということを前提に、バックキャスト的にマイルストーン、あるいは、そのロードマップのようなものをつくっていって、それを適宜見直していきながら先に進むということをしていきたいと思います。
 余計なことを申し上げますと、2030年の大学図書館の姿を考えるというのは、基本的には、2030年に日本の大学における研究や教育がどうなっているかということを同時に考えることになるのではないかと思います。それにふさわしい大学図書館像というものを、今我々は考えていかないといけないということになるかなと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 ほか、いかがでございましょうか。
 日向委員、よろしくお願いいたします。
【日向委員】  すみません。遅れて参加になりました都留文科大学の日向と申します。今回、この会議に呼んでいただきましてありがとうございます。
 簡単に私のバックグラウンドを説明させていただくと、私は、14年ほど都留文科大学の公立大学図書館の司書として働いた後、今、教員となって14年目になります。
 大学図書館員でもあったし、教員として今は働いていますが、今回のこの提言を聞く中で、まず、本当に2020年のコロナ以降、各大学図書館は、それなりに、多かれ少なかれ学びというもの、大学図書館のサービスというものをオンライン上でやってきたということを知っております。その方向性をできれば止めないで、オンラインでできるものと、また、建物の中でやるべきものというのをもう一回考え直すべき時期になっていて、非常に時宜を得た提言ではないかなと、最初読んだときに感じました。
 やはりこの提言について、大学図書館界としては、各大学図書館が、自分の大学図書館の役割をもう一回見直す中で、この提言の中に示されている大学図書館像を基本的な大学図書館の役割として提起して、各大学で定義していくということが必要なのではないかと考えています。
 今働いている大学図書館というのは、恐らく大学が設置されるときに、特に役割とか必要性を考えずに、取りあえず大学側で大学図書館があって、その中で何となくやることが決まっているというところで、何のために大学図書館があるのか、大学図書館の機能とか役割を自分の大学のシステムの中であまり考えた機会というのはないと思うんですね。
 自分の大学の役割の中で、大学図書館にはどんな役割があるのかということを考えるのと同時に、今回のこの提言を下敷きにして、できれば全大学図書館共通で、例えば、自分たちが持っている学術情報をデジタルで提供する、また、デジタルで提供しているものを学内に提供していくという、学術情報の流通のデジタル化ですとか、今度は、本棚というものがある程度整理されて、空いた空間で、大学図書館というのは学生や教員にどんな仕事をしていくのか。
 学生という面で見れば、これから研究者になるかもしれないし、いろんな仕事に就くかもしれないし、また、一方では、20代の未完成な青年たちに、その場所として何をしていくのかということをどう提供していくかという意味では、その場所としての役割というのも重要だと思います。
 そういうことを考える上でも、まず自分たちの図書館の役割というものを基本的に考えていくということのきっかけとなるような提言となるということで、非常に重要に受け止めさせていただきました。
 ちょっとまとまりはありませんが、感想としてお伝えしたいと思います。ありがとうございました。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 今、日向委員から御指摘ございましたように、「審議まとめ」の13ページ、「むすびに」のところで、「各大学図書館は、これからの『デジタル・ライブラリー』を実現するため、2030年を目途に、上記(1)から(4)で示した4つの項目の観点でオープンサイエンス時代に求められる大学図書館機能を検討・検証し、各大学のミッションに沿って、優先的に扱うべき課題から取り組むこととする」というふうに示させていただいていたところでございます。まさにその部分を、日向委員からは、実際に大学図書館長というお立場から、あるいは御自身の大学の置かれている環境等々を踏まえて確認をしていただいたということかと思っております。ありがとうございます。
 それでは、全体につきまして、西岡委員、もし何かあればお願いいたします。
【西岡委員】  御指名いただきありがとうございます。
 先ほど杉田委員がおっしゃっていたことと少しかぶってしまうかもしれませんが、従来までの図書館というのは、長い間、情報が固定化、フィックスされた、文献という情報を扱ってきました。一方、近年、流動性や変容性の高い研究データという新たなメディアを扱い、研究のライフサイクル全体に携わってくることが求められています。そのような中で基本的なところとして、研究データポリシー等を策定する大学さんとかでは、データとは何かというような議論が多様な観点から行われていたりするので、それらの議論を踏まえて、文献やデータ等の様々な情報の本質的な違いを考慮した上で、「ライブラリー・スキーマ」を設定し、サービスをデザインしていくようなシステムが必要になってくるということを改めて感じました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 今御説明いただいたように、やっぱり我々は2030年というものを目標にして、きちんと我々の大学図書館としての機能というものを整理し直していくということについて、もちろん様々な周りの状況はあるわけですけども、それを踏まえて整理し直していくということについては、全体としてはコンセンサスが得られているものと理解をしたところでございます。
 それでは、次に、まだ時間がございますので、資料4の4つの点につきまして、特に2030年の望ましい大学図書館像、あるいは、それに向けての検討すべき課題といったところについて、少し具体的な御発言をいただければと考えております。
 まず1つ目の教育・研究支援機能、新たなサービスといったようなところについてはいかがでございましょうか。
 先ほど申し上げましたように、前提は、教育・研究のデジタル・トランスフォーメーションは進んでいくということでございまして、それに伴って、記録されているデータ、あるいは情報・知識といったものの扱い、あるいはその利用の仕方などというのも当然変わっているということを前提として御議論いただければと思います。よろしくお願いいたします。どなたからでも結構です。
 では、小山委員、どうぞ。
【小山委員】  先ほど私が指摘した「はじめに」の部分とも重なるのですが、例えば、「2030年の望ましい大学図書館の姿」の4つ目の丸のところにある研究データに関連して、メタデータのお話も出てきます。このメタデータは、全てのデジタルオブジェクト、あるいは、資料、広く文献と言ってもいいかもしれませんけれども、資料あるいは情報にも全て当てはまることであるので、このメタデータを、発見可能性を高めるためにいかに統合的に扱えるかということ、また、ここにも書いてありますけれども、識別子はもちろん、メタデータをいかに豊かにしていくのかというところが私はポイントであると思います。
 その意味で、例えば、国立情報学研究所では、CiNii Researchをはじめとして、様々なインターフェースを用意してくれておりますし、それは国の政策であったり、日本の大学図書館界全体としての目指すべきゴールの一つなのかなと考えますので、まずは、いかにメタデータを豊かにして、利用者の発見可能性、情報の発見可能性を高め、最終的にその情報を利用できるのか。ここでアクセスというのは利用と同一だと思いますので、ただ単にそれが見つかっただけでは駄目で、見つけたものをいかに利用できるようにするのか。それはデジタルであればベストだと思います。デスクトップ上で利用できれば一番便利だと思いますが、そうでなかったとしても、いかにその利用の利便性を高めるのか。そのためのシステムづくり、制度づくりというのがまずは必要だと私は考えております。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 識別子がちゃんと付与されるということが大前提にはなってくるはずでございまして、「審議まとめ」の中では、デジタルオブジェクトに対する識別子と、それから、それらを生産する研究者に対する識別子の両方の必要性ということと、それらをうまくひもづけられるような仕組みといったようなことを言っているところでございます。
 では、日向委員、お願いできますでしょうか。
【日向委員】  改めまして、日向です。
 まず、今見えている(1)教育・研究支援機能、新たなサービスのビジョンのところで、ぜひ加えてほしいなと考えているのが、所属大学及び地域で生産された学術情報の収集、整理(メタデータ付与)、保存、デジタルアーカイブを、各大学図書館の基本的な役割と認識し、実行しているという、何らかのそういう、これが全ての大学で望ましい大学図書館の姿として、この「デジタル・ライブラリー」を知ることが自分たちの基本的な役割なんだということを、ちゃんと大学の中でオーソライズしていくということがやはり必要だと考えています。
 今、大学内でも、予算の取り合いだったり、大学図書館の置かれている立場も非常に厳しいんですが、やはりこういう政策の中で、きちんと大学図書館の役割として、こういうことをしなければいけないんだということを示した上で、各大学で、じゃ、それはやろうと。そう決まったところで初めて予算獲得のための根拠というものが出てくると思いますので、基本的な役割として、大学図書館もしくは各大学が認識しているということがまず重要かなと考えています。
 あと、もう一つ、一番下の「リカレント教育により」という部分になります。ここは意見になりますが、権利処理に関する人材の育成というのがちょっと難しいのではないかということで、大学の規模とかによってレイヤーがあるのではないかと考えています。
 まず、全ての大学に必要なのは、デジタル資料の利用をサポートするとか、学生・教員のコンテンツ利用を促進するという職員だと思いますが、権利処理の実務自体は、もしかしたら、もうちょっと集中的な形、例えば、全国的な組織でやって、各大学図書館では、利用の面で、リカレント教育で、権利処理といった場合も、利用の部分の権利処理と。権利処理と言うと、デジタル化するときの権利処理をちょっと思い出してしまったので、そういう意見になったんですが、そういうところが、この一番下の部分は、幾つかの段階があるのかなと感じました。
 (1)のビジョンの部分については、以上が意見になります。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 その辺、はっきりさせておきたいところがあるんですけれども、権利処理に精通したということの表現が妥当かどうかということは置いておくとしても、著作権に関することについて、きちんとコンサルテーションができるような人材を大学図書館が持つということの必要性ということについては、御異論ないということでよろしいでしょうか。
【日向委員】  はい。それは必須なものとして、少なくとも学内の著作物に関しての様々な利用とか、学外のデジタルコレクションを中心とした資料の利用の案内において、これから著作権の知識が必ずなければいけないと考えています。
【竹内主査】  今回の「審議まとめ」全体がそうなんですけれども、一つの図書館に全ての人材を備えることはできないということが前提にあって、場合によっては、複数の図書館で一つの機能を実現するといったようなこともありますので、先ほど来の御発言であったような、一つの図書館でということと、大学図書館の機能としてということは、少し分けて考える必要があるところなんですけれども、大きな方向性としては御異論があるわけではないというふうに理解させていただきました。
【日向委員】  そうですね。
【竹内主査】  ありがとうございます。
【日向委員】  利用に関しては、全ての大学図書館で、小さな大学図書館でも、授業とか学生の研究の中で使い方に対してのアドバイスは絶対にしなければいけませんし、また、論文作成とか情報の発信、最近は学生の学会発信とかもありますので、そういう中での著作権の案内、指導というのは絶対に必要な機能だと思いますので、そういうミニマムな部分とナショナルな部分を分けて考えたほうがいいのではないかなという意見です。全体の方向性としては、このとおりだと考えています。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 その辺りは大学の規模によっても大きく変わってきますので、こうじゃなければいけないということは多分言えないと思いますが、方向性としては理解いたしました。ありがとうございます。
 ほか、いかがでございましょうか。
 では、松原委員、お願いいたします。
【松原委員】  データの取扱いということに関してコメントさせていただきます。
データが公開され、流通していくための図書館のあるべき姿とは、ということですが、大学全体から考えると、データの公開という側面だけを切り取って、その姿を描くのは難しいのではないかと思います。
 先ほどライフサイクルという話がありましたけれども、研究途中の段階におけるデータの管理、あるいは、その計画も含めた大学のデータガバナンスや研究そのもののガバナンスということを考えますと、例えば、研究公正のために大学がデータを一括で保管する、共同研究に向けてデータを部分的に公開する、データの利用希望者にライセンスを付与するなどの活動もあると思います。
 そういった一連の活動を個別に切り出して設計するのは効率が悪いですし、大学の研究者からすると、個々の活動に対してそれぞれ対応をしなければならないというのでは、なかなか理解が得られないわけです。まず、大学全体としての研究データの管理や利活用の戦略があり、図書館もその策定にコミットいただいて、その上で公開、メタデータ付与、あるいは、識別子のあり方などを設計していくということが必要かなと思っています。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。大変重要な御指摘かと思います。
 特に研究のライフサイクルと、そこから出てくる研究データの取扱い、あるいは、それに対する支援というのをどのように組むかということは、非常に線引きの難しいところで、それぞれの業務は一体誰がやるのかというところについて、誰ができるのかということも含めて突っ込んだ議論を本当はしないといけない部分だろうと思っております。
 「審議まとめ」では、図書館がまず扱うべきところということで、公開されているデータということをターゲットにしているわけでございますけれども、今、松原先生から御指摘があったように、そこだけを切り出してというのは、研究者から見ると極めて不自然ということになります。
 一方、例えば、キュレーションのようなことを、いきなり何の訓練も受けていない、何の前提知識もない図書館員がすぐにできるかというと、それもできないという非常に難しい問題があって、それをどのようにうまく動かしていけるようにするかというのが、多分大きな課題になってくるだろうというふうには見ております。
 今の「審議のまとめ」の中では、ライフサイクルに沿った研究データ管理に携わるであろう人たちが、自分たちは何をやるのかということをまずは明確にしていって、その上で、明確な役割分担をして、グループとして研究者の研究データ管理を支援していく、研究のライフサイクルにうまく沿っていくというようなイメージを描いておりますけれども、松原先生の御指摘のような、ここからは誰がという非常に線引きの難しさというのが大きな議論になるかなと思っています。
 ここで議論していく中で、いろいろ知恵をいただきながら、皆さんに御理解いただけるような形を示していければと考えます。ありがとうございました。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 林委員、どうぞ。
【林委員】  もうこれは暗黙の了解の下、進んでいるとは思いつつ、コメントさせていただきたいのですけれども、2030年の望ましい大学図書館を考えたときに、カウンターパートのユーザーの姿というのもちゃんと規定しておいたほうがよろしいのではないかと思うわけです。なぜならば、既に研究者プレプリントとか、研究データを使う人は扱って、もうどんどん研究をしていますし、2030年となると、COVID-19後に小学校5・6年を経験した人たちが大学に入ってくる、ないしは、高校生の子たちが大学院で本格的に研究を始める。そういう人たちが大学に来るのだという状況を踏まえると、職員や学生というのを今と同じもので規定するというのは、ちょっと危ない気がしています。
 そこの、こういうときに出てくるペルソナ像みたいなのを一応一回規定しておいて、併せてサービス、図書館の姿というものをやると、ロードマップとかを書くときなんかはちょうどいいのではないかなと思いましたので、コメントしました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。大変有益な御指摘をありがとうございます。
 先ほど申し上げましたように、2030年の望ましい大学図書館というときには、その前提となっている教育や研究の姿というものをどう考えるかということで言えば、デジタル・トランスフォーメーションは進んでいるということでございまして、教育で言えば、どこでも、いつでも、ということも恐らく可能な教育・学修になっているということが前提になっているでしょうし、研究ということで言えば、データ駆動型科学というのはもう広く一般に理解されるものとなっていて、当たり前のように、データを使った研究というのが進んでいる、そういう時代になっているかなと思います。そういう研究者像あるいは学生像についても、今御指摘のあったようなペルソナを設定した上で、どういう望ましい姿になるのかということは考える必要があるかなと思います。ありがとうございました。
 ほか、いかがでございましょうか。
 西岡委員、どうぞ。
【西岡委員】  1点、図書館が担う役割かはまだ定かではないと思いますが、情報リテラシー教育について指摘させていただきます。昨今、生成系AI等の革新的な情報技術が急速に発展しており、教育等の現場でも、例えば、レポートを作成する際のChatGPTの使用が話題に上がったりしています。
 大学では図書館担当者が情報リテラシー教育に参画する機会が多く、論文の検索方法・引用方法であったり、信頼できる情報の見分け方であったり、教育に携わっていることが多いかと思います。生成系AIのみならず、情報技術の変革は今後も起き続けると思いますので、最先端の情報技術との向き合い方や利用方法についても、大学図書館が情報リテラシー教育で果たせる役割が多いのではないかと思いましたので、コメントさせていただきます。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 具体的に人に対してどのような支援を行っていくのかというところ、特に教育・学習支援という観点から見たときに、新しい技術との向き合い方というのは、確かに非常に重要なポイントになってくるだろうと思います。
 もちろん、そのときに向き合うのが図書館員かというのは非常に難しい問題で、ひょっとしたらAIそのものが向き合っているんじゃないかという気がしないではありませんけれども、その辺の予測は当たらないと思いますのでちょっと置いておくことにいたしますが、それもやはり同様に重要なポイントであるかと思いました。
 ほか、いかがでございますでしょうか。
 小山委員、どうぞ。
【小山委員】  3点ございます。
 1つ目は、先ほどの冒頭で発言したことに関して、私が伝えたかったのは、書誌コントロールという考え方が昔からあって、利用者が情報を発見して、それを利用に導くまで、その一貫した考え方というのは実現できる、そのための制度づくりであり、システムづくりであったりということが、この新たなサービスにおいても一番基本的なところにあるのかなと考えていたということです。追加して発言しました。失礼しました。
 2つ目として、例えば、「2030年の望ましい大学図書館の姿」の3つ目に、「大学出版会などの」という箇所がございます。出版のデジタル化に関して、大学出版会から御自身の研究成果を発表するというイメージ、あるいは、そういうインセンティブが働くかどうか、それは林委員がおっしゃっていたように、どういうユーザー層がどういうふうに研究をしていくのか、これは竹内主査もおっしゃっていましたけれども、どういう研究者像になるのか、あるいは、私たちはどういう研究活動をしている人たちに対してサービスをするのかということのイメージをつくるという意味でも、学術情報流通、学術コミュニケーションにおける、例えば学術書の出版の意味というのが、ここには大きく関わってくるのかなと考えます。まだどうなるのかは私には分かりませんけれども、議論の中で皆さんと一緒に共通理解が得られればいいなと思っています。
 3つ目として、その1つ上にオープンアクセスの話がございますけれども、2行目にセルフアーカイブという言葉が出てきます。これもまた政策的なことも含めてなので、セルフアーカイブという表現だけでよいのかどうかということについては、これからまた議論をしていくんだろうなというふうに考えております。
 以上3点でした。失礼しました。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 オープンアクセスの具体的な方法というのは、2030年になると今とは全く違ったものになっている可能性があって、わざわざ研究者がデポジットをするといったようなことはもう考えづらいのではないかと個人的には思っておりますけれども、何らかの環境整備というのは必要にはなってくるだろうとは思います。
 やはり技術の問題というのは結構大きくて、2030年と言っても、すぐそこと思いつつも技術の進歩は非常に速いですから、最初に申し上げましたように、バックキャスト的にマイルストーンを置くとかロードマップを作成するといっても、これもしょっちゅう見直さないといけない可能性は出てくるだろうと思っております。
 ですので、その辺りは極めてフレキシブルにということにはなると思いますが、ただ、我々としては、やはりある種のマイルストーンをきちんと置いていくことで、多くの大学図書館関係者、あるいは、それのみならず、教育・研究に携わっている多くの方々にとってなるべく分かりやすいイメージをお示ししたいということで、そのような構想を持っているというところでございます。
 それでは、結構時間を使いましたけれども、あと(2)(3)(4)がございますので、その辺りについても、それぞれ10分程度ずつで少し議論をしていきたいと考えております。
 (2)の情報科学技術及び「場」としての大学図書館の効果的な活用というところはいかがでございましょうか。
 「ライブラリー・スキーマ」については、先ほど議論があったところでございまして、これがやはりキーコンセプトであることは間違いないと思っておりますけれども、それだけを深掘りしていくのもどうかと思いますので、その周辺を含めていろいろと御意見をいただければと思います。いかがでございましょうか。
 小山委員、どうぞ。
【小山委員】  よろしいですか。杉田さんが手を挙げていますが。
【竹内主査】  小山委員の次は、杉田委員ということでお願いいたします。
【小山委員】  分かりました。ありがとうございます。
 ここの「場」としての話につきましては、物理的な空間と仮想的な空間という2つの軸があると思います。「審議まとめ」では、どちらかというと仮想的な空間にある程度重点を置きつつというようなイメージを私は持ったんですが、物理的な空間におけるサービスの多様性といいますか、発展形というのも、またぜひ考えていきたいと思っています。
 例えば、もう大分浸透してきましたけれども、ものづくりのためのメーカースペース的な発想というのは以前からあります。そこに行って何かをつくるとか、何かを体験するといったような学びもこれから、もしかしたらコロナ禍を経てさらに重要になってきているかとも思いますので、様々な可能性、あるいは選択肢というものを一緒に考えていけたらなと考えております。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 その辺り、少し難しいところで、ラーニング・コモンズの議論の中では、そういったイメージのものを図書館がということでやってきたところはあるんですけれども、今回の「審議のまとめ」でも言っていますけれども、本当にそれは図書館が優先的にやるべきことかどうかということについては、やはり考え直す必要があるのではないかというふうには少し考えているところでございます。
 これにつきましては、国立大学に限定してということになるかと思いますけれども、国立大学の施設整備の考え方などから言えば、イノベーション・コモンズというような概念で、キャンパス全体を新しいイノベーションの創発の場にしていこうというようなことがございますので、例えば、今御発言のあったようなメーカースペースのようなものというのも、それは本当に図書館でないといけないのかというようなところがあって、もう少し広い概念でというか、広く捉えて、大学キャンパス全体の機能としてというような捉え方のほうがむしろいいのかもしれないなとは思っております。
 お待たせしました。杉田委員、どうぞ。
【杉田委員】  この検討会へのインプットとなるかわかりません。
 京都大学附属図書館の例ですが、今年度の4月から6月の入館者数は、コロナ禍前の2019年を100とすると、85ぐらいの数字となっています。
 図書館の利用者数は、90年代、2000年代、2010年代、2020年代と、連続的に緩やかに上昇してきました。コロナ禍によって大きく下がったのち、現在85まで回復してきているところなのですが、ではこれが、このまま90になり、100になり、105になっていく、つまり、もともと描いていたカーブに収束して合流していくのか、それとも、この数年間の間に利用者である学生さんの行動が変化していてこれから別のカーブを描いていくのか、ということについてまだちょっと見通せておりません。以上は京都大学附属図書館の数字ですが全体的にはどうなのか、また、高等教育論の分野で学生行動の変化等について何か知見があるようであればそれらも取り入れて考えていく必要があるのではないかと、実務上の所感としても思っています。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 日向委員からは、コメント機能を使って、同じような傾向だということを御指摘いただきました。私もほぼ同様の印象を持っているところでございます。明らかに学生のほうの行動変容が起きている、にもかかわらず、大学図書館側は従来通りの期待をしているというところがあるのではないかというところですね。
 それに対して、杉田委員、何かお答えとかお持ちですか。お答えというのは変な言い方ですけれども。例えば、要は、減った分だけ、デジタルリソースに対する利用が増えているとか、そういったことがあれば、当然のことながら、行動が変容しているという話で済むわけなんですけれども。その辺りはいかがでしょうか。
 これで言うと、やっぱり学生たちの、いわゆる図書館、あるいは学修環境における行動の変容というのを一回正確にきちんと理解しないと、我々としては先に進めないというところはひょっとしたらあるのかもしれないなと思っております。
 文部科学省のほうでもいろいろな調査はされていると思うので、もしもそこから見えてくるものがあれば、それはそれでいいかなと思うんですけれども、行動の変容は捉えるのが難しくて、私どもでも、実は過去に何度も様々な調査手法を使って調査をしているんですけれども、確かに、それをやると、それまで気がつかなかったこと、分からなかったことが見えてまいります。この辺りは、資料4の4ページ、先ほど藤澤室長からもちょっと御発言ありましたけれども、例えば、これは連携を進めていくに当たって生じる課題ではないですけれども、ある種の調査をすべきものとして、少し考えるべきものなのかもしれないと思ったところでございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。「場」としての大学図書館の効果的な活用ということについてということですが。
【林委員】  関連してよろしいでしょうか。
【竹内主査】  林委員、どうぞ。
【林委員】  コロナ前の話なのですけれども、学会機能が低下していた理由の一つには、SNSでResearchgateとか、どんどん若い人たちがオンラインで交流し始めているという議論がありました。それと同様のことが大学の学生でも起きていても全然おかしくないと思っています。例えば、スマホの受験勉強アプリで、今、見ず知らずの他人同士が目標を設定してグループをつくり、それでコミュニケーションを取りながら受験を勝ち抜こうみたいなサービスも活用されています。申し上げたいのは、バーチャルとか、そういうところの空間で若者たちがコミュニケーションを取っているので、そこにどう大学図書館が寄り添うかという、そういう見方も必要になってくるのかなと、さっきの議論をちょっと聞いて想起したので、シェアします。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 研究に関しては、研究データをつくり出したであろう研究活動に寄り添う形での支援ということを言っているわけでございますけれども、当然のことながら、学生に対しても全く同じことがこれは言えるわけであって、従来であれば、図書館という場に来たというある一点だけを捉えて、学習者たる学生に対する支援を提供するという発想でよかったんだと思いますが、DXの下での教育というのが、いつでもどこでも、ということになってくると、物理的な場の持っていた特徴、つまり、支援対象者はそこにいるということを超えて、様々な支援というのが必要になってくるということになって、そのことが、(1)に戻りますけれども、新たな教育を支援する機能、サービスというようなところに返ってくるというようなところはあるかなと思います。
 そのほか、いかがでございましょうか。どなたからでも結構です。
【日向委員】  日向です。よろしいでしょうか。
【竹内主査】  日向委員、どうぞ。
【日向委員】  この部分について、まず先ほどの都留文科大学の例でいけば、やはり入館者数は減って、滞館時間は短くなっている傾向があります。学生については、やはり百科事典等のデータベースが自宅から接続できるということで、正直、大学に行かなくてもいいとなった場合には、やはりレポート作成とかも自宅で行っていくという部分はあります。
 ただ、逆に、デジタルで見つからない資料をなかなか見つけ出せないという欠点が出ているというのは、都留文科大学の例になります。
 うちの大学、ここ一、二年なんですが、コロナ以降、データベースにかけていたお金をどう戻すかということを、来年、再来年で検討する予定ではあるんですね。つまり、デジタルのほうにかなりお金がかかっているので、以前のデジタルじゃないほうに戻すのかどうなのかという議論があると思いますが、もし調査するとしたら、そういうデータベースの自宅からのリモートアクセスの広がりとか狭まりみたいなのが見えてきたら面白いかなと考えています。
 あとは、一つ、この「デジタル・ライブラリー」を使う利用者像の研究がある程度必要だということになったときに、昨年度行った科研費の発表会の司会をしたときに、やはり大学において多様な学生がかなり今後は入学してきて、図書館に来るとか、紙のほうを利用するというのが難しい学生さんに対して、例えば、VRとかはやはり価値を持っていく、また、あると思いますので、そういう視点も、このペルソナ像としては、多様な特性を持つ学生さんというのもつくっていく必要があるのかなというのを感じました。
 これは感想というか、今後ぜひ検討していただければと思いました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 (2)については、何かほかに御意見ございますでしょうか。
 よろしいでしょうか。では、次に、(3)今後の大学図書館の機能やサービスの実現に求められる人材についてというところはいかがでございましょうか。
 これまでにも人材に関する話というのは少し御発言がありましたけれども、改めてお願いをしたいと思います。いかがでしょうか。
【日向委員】  日向ですが、よろしいでしょうか。
【竹内主査】  どうぞ。
【日向委員】  これはいろんな大学の考え方というのがあるので、個人的な意見としてお聞きいただいてよろしいんですが。
 1つ目の丸は、専門的業務、スキルを身につけるということなんですが、2つ目の丸は、大学全体のマネジメントに従事するようなキャリアパス制度が確立しているということなんですが、キャリアパスのゴールが、大学のマネジメントという一つしかないというのがちょっと気になったところがあって、例えば、専門的業務の中でキャリアパスのゴールを設定できるような評価というのができないのかなというのは、ちょっと考えました。
 というのは、非常にいろいろな専門的知識を持って、スキルや知識を上げた方が、ある程度年が経って評価が上がって、そして、今度は、全く今までやっていた専門的業務に、関係ないと言っちゃうとあれなんですけど、マネジメント業務のほうに移行するというのが、果たして大学図書館のキャリアパスとしていいのかというのがすごく疑問がありますので、今後も議論の中で、このキャリアパスのゴールの部分については、多様性があってもいいのではないかな。つまり、専門的業務としてのキャリアパスのゴールというものを見つけてもいいのかななんていうのを感じました。これは感想です。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 今のことにつきましては、ジョブ型とか、新しい職制を考えていく上で、専門人材が大学のマネジメントに関われないような形はよろしくないということがもともとの発想で「審議まとめ」に書かれていることでございますので、日向先生の御意見は十分理解はしますけれども、その論点が少し違うということを御理解いただければと思います。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 松原委員、どうぞ。
【松原委員】  松原でございます。
 2点ございまして、まず1点目は、先ほどの大学全体のマネジメント業務に従事するパスという話についてです。図書館という側から見ると、こういった書き方になると思うのですが、一方で、大学のマネジメント側からは、図書館の人材を大学全体のマネジメントの担当に抜擢しなければ、大学としても今後はうまく回っていきませんので、大学全体からのニーズもあるのではないでしょうか。そのような観点からのキャリアパス、あるいは、評価が必要になるのではないかと思います。
 もう一点は、専門人材についてです。今から図書館の方をリカレント教育などで教育し、データ人材として活躍いただくには、それなりに時間もかかります。一方で、すでにデータ人材と呼ばれている方、あるいは、そういったスキルを有する方たちを、あらゆる分野というのは難しいとは思いますが、大学として雇用していくことも必要です。
 ただし、そのような人材が部局に配置されると、その部局のために動かれるということになりがちです。現代では、部局という単位で分野を単純に分けるのは難しいですし、大学全体としての人材の有効活用が求められます。そうするとやはり、図書館にそういった人材が配置され、部局に対してデータ支援サービスをしていくというのが、大学の組織の在り方かなと思っています。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 専門人材をどのように確保するのかということについては、いろいろ議論があるところかと思いますけれども、それについては、もちろんリカレント教育だけではなくて、新たな人材を招くということも当然あるかと思います。
 また、オープンサイエンス時代における大学図書館の在り方検討部会のほうでは、そういった高度な人材というのを、一大学に一人ずつということは無理な可能性もあるということも一応視野には入れておりまして、その場合には、例えば、非常に高度な専門の方が、コンソーシアム的なと申しますか、あるいは、どういう形ができるのか分かりませんけれども、クロスアポイントメント的なイメージで、複数の大学のケアをするといったようなことも議論の中では想定していたところでございまして、これについては、どういう制度をつくり込んでいけば、2030年の望ましい大学図書館像にふさわしい人材を配置できるのかという視点での議論が必要になってくる部分かなとは考えております。ありがとうございます。
 そのほか、いかがでございましょうか。
 林委員、どうぞ。
【林委員】  今の松原先生とも関連するのですけれども、またちょっと生々しい話になるかもしれないんですが。2030年に図書館の部長、課長になる人のプールって、もう今見えているはずですね。なので、その方が管理職としてどうあるべきか、ないしは、専門的人材をもってどう関わるべきかみたいな、そういう観点は、もう人材プールが見えている中で検討ができる話ではないかという点を課題として提起させていただきます。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 ただ、考え方ですけれども、そういう人たちに関しては、そういう人材はいるけれども、でも、あえて新しい人材を外から大量に入れるという考え方もできないわけではないと思うんですが、その辺はいかがですか。
【林委員】  ところが、身近な例ですと、小学校に校長を外部から連れてきても、なかなかそう簡単にはうまくいかないみたいになるのは、その上の外的環境も変わらないからみたいな話がありますので、結局、今まで支えてきた図書館の人たちの管理職の人たちの意識が変わらないと、外から新しい人を持ってきても変わらないという、こういった話をする必要があるという趣旨です。
【竹内主査】  なるほど。分かりました。ありがとうございます。
 その辺りを杉田委員、大山委員に聞くのは酷でしょうね。
【林委員】  すみません。でも、ついでに言うと、かつて杉田さんが(機関リポジトリの導入時に)奮闘されてきたような今の若い人たちが、探せばいるはずなんですよね。そういう人たちをちゃんと引き上げるとか、西岡さんを見ながら言うのもあれですけれども、やっぱり若い人たちで意気込みのある方は、私もコミュニケーションしていても、西岡さんもそうですけれど、いらっしゃるので、そういう方がちゃんと上司に報われるという形の上司をしっかり育てるみたいな、すごい上から目線になって大変恐縮なんですけれど、やっぱりそこがすごく大事なのかなと思いまして。
【竹内主査】  専門人材云々ということを言っていますけれども、基本的には、やはりここに関わっている人たち全体の意識の変革というのが大前提で、その上で、専門人材は初めて生きるだろうと思いますので、その辺りは、大学と図書館の管理者の立場である私自身も含めて、よく肝に銘じて議論を進めたいと思います。
 (3)のところは、人材について、いろいろあるのではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
 小山委員、どうぞ。
【小山委員】  今のお話の流れを受けて、ここでこうした議論が熟していく中で、やっぱり最終的には大学を運営しているマネジメント部門の方々がこのことを理解して、図書館には、あるいは図書館に関わる、学術情報流通に関わるような専門人材はこういう人だから、そのための制度づくりが必要だねということを理解してもらうこともまた重要だと思います。ですので、ここでの議論をいかにその方々に届けられるのかという、そのチャネルをどうするのかということは、これまでも大変だと思っていましたし、これからもどういうふうにすればいいのかというのを考えていかなくてはいけないなと、私自身は感じました。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 ただ、大学で働いている様々な人材の専門人材化というのは、図書館に限る話ではないんだろうと今思っておりまして、これは手前みそで申し上げますが、私どもでは、教育・学修支援のための専門職養成といったようなことを実際のプログラムとしてやっておりますし、それ以外の領域にも様々な議論があるのではないかと思います。
 大学職員の専門職化ということについては、中央教育審議会でも過去に議論になったところでございまして、そういった方向性というのが強まっていくのかどうかというところはなかなか難しいところではありますけれども、我々としては、やはりそういった大きな流れの中にあるんだということは意識をしておく必要があるかなと思います。
 そういったこともあって、「審議まとめ」の中でも、資料4の3ページで言うと、4つ目の事項、見ていただいて分かるように、「大学全体における人的資源の配分の見直しや教育・研究体制の構築」といったようなことも言っているわけでございまして、御承知のように、大学設置基準におきましても、教育研究実施組織等ということと、指導補助者といったような概念が取り込まれているように、従来のような教員と事務組織あるいは事務の職員とは違う位置づけでの、大学における教育・研究の実施、あるいは、その支援体制といったものが考えられつつあるということもありますので、その辺については、ぜひ我々としても積極的に発言をし、なおかつ、ここでの成果というのをやはり大学全体で御理解いただけるような形にしたいと思います。ありがとうございます。
 それでは、あと最後の(4)大学図書館間の効果的な連携についてという部分について、いかがでしょうか。
 これについては、具体的にいろんなやり方はあるかなと思いますし、コンソーシアムという言葉が「審議まとめ」の中に出てまいりますけれども、それだけが唯一の方法ということではございません。もうちょっと小さい例で言えば、さっき申し上げたような職員のクロスアポイントメントみたいなことも、実現の方法としては様々ございます。ですので、とにかく考え方として、データセントリックな考えに立って、一大学で完結する形で一つの図書館システムを整備するというのは、もうそれが絶対ではないという立場に立って考えましょうというのが大きなポイントかと思っております。
 ということで、こんな方策があるのではないかといったようなことも含めて、あるいは、若干夢のような話を言っていただいてもいいと思うんですが。例えば全国立大学法人をもう一回統合しますとか。そんなばかなというふうに思われると思いますけれども、図書館という観点から見ると、意外に合理性がある話かもしれないところなんですね。
 小山委員、どうぞ。
【小山委員】  ありがとうございます。
 私が参加しております大学図書館と国立情報学研究所との連携・協力推進会議の下に設けられている、これからの学術情報システム構築検討委員会では、その基盤となる情報システムを開発し、発展させ、その実現に至るまで、様々な方々に御協力いただいています。
 その中で出てくるのは、多くの方に参加いただいている一方で、やっぱり今までお話があったように、各大学にそういった人材が豊富にいた時代とは随分大きく変わってきてしまっていますので、皆が協力をして、大学図書館界ないしは学術コミュニケーションの世界で課題となっていることにみんなで共同して取り組む、そういう仕組みづくり、制度づくりというのが必要だと。それを目指して、これから委員会では、そういう目標を今年度立てようとしています。今週会議があるので、これからなんですけれども。
 今ここに示されたような大学図書館間の連携というのは、前からありましたし、これからももっと進められる、それはもしかしたらDXというのが大きな駆動エネルギーになるのかもしれないなと感じております。ここに掲げられているような、コンソーシアムはやり方の一つだと竹内主査はおっしゃっていましたし、様々な方策、オプション、選択肢というのがあるんだろうなと。それを実現可能性の高いものをいろいろ試しながら進んでいく。そのときに、この検討会ではどういったことが議論できるのかなというのは、ある意味、一つ楽しみにしております。
 以上です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 これじゃなければいけないということが大学図書館間の連携についてあるわけではなくて、大学によっては、こういう大学と組むんだったらこういうやり方があるけれども、違う観点での組み方をするんだったら別の方法はといったようなことも恐らく出てくるだろうと思います。
 国立大学の場合には、すでに法人統合といったこともございますし、また、国公私の枠を超えて、地域での連携法人等をつくるといったような具体例も様々出てきているところでございますので、この辺りについては、いろいろと事務局にも情報を集めていただきながら、2030年の望ましい大学図書館像、それから、それに向けた課題というのは議論を進めていきたいと思っております。
 ほかに御意見等いかがでございますか。
 林委員、どうぞ。
【林委員】  効果的な連携って具体的に何だろうとずっと考えていて、思い浮かばず、今、竹内主査の話ではたと気づいたのですけれども、大事なポイントは、連携したいときにすぐ連携できるようにするということですね。大学は本来イノベーティブに、いろんな形で連携があり得るのでという、そこの一言に尽きるのかなと思った次第です。
【竹内主査】  ありがとうございます。
 ということで、今日も既に(1)から(4)の諸点につきまして、様々な御意見をいただいております。このまとめ方については、これを一応、今年度中ぐらいということでよろしいでしょうか。
【藤澤学術基盤整備室長】  そうですね。
【竹内主査】  つきましては、最終的には、やはり少し難しい点もあるというふうに先ほど藤澤室長がおっしゃっていたとおりではあるんですけれども、とはいえ、一応、資料の左側に示されている理念と、それに対応する具体的な姿というのは、やはり可能な限り一対一で対応できるような方向で、皆様からいろいろアイデア、御意見をいただきたいと考えております。
 そして、そこで挙がっている検討すべき課題につきましては、恐らくここで書いてあることよりももうちょっと現場的な発想で細かい具体的な問題が出てくると思いますので、それをなるべく網羅的に挙げていって、そして、それを解決していくという姿を描いていくことを踏まえて、マイルストーンを置いていく,あるいはロードマップのようなものをつくることができると一番望ましいかなと考えているところでございます。
 恐らくまだいろいろと御意見があるかなと思っておりますけれども、本日いただいたものについては、事務局のほうでも少し整理をさせていただきまして、次回以降の審議に生かしていきたいと考えております。また、今日ここでは十分言えなかったということがおありになる委員もいらっしゃると思いますし、御欠席の委員もいらっしゃいますので、追加の御意見等々につきましては、また後ほど事務局へのメール等でお知らせをいただくということにさせていただきたいと思います。
 というところで、本日の意見交換、審議につきましては以上とさせていただきますが、ここで森研究振興局長に御挨拶をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
【森局長】  研究振興局長をしております森でございます。
 先生方におかれましては、大変お忙しいところ、この検討会の委員をお引き受けいただきまして、そしてまた、本日一日、大変熱心に御議論いただきまして、誠にありがとうございます。
 大学図書館は、もう皆さん御案内のように、大学におきます高等教育及び学術研究全般を支える学術情報の基盤として、非常に重要な役割を果たしているものでございます。これを取り巻く環境というのは様々な変化をしているところでございまして、これによりまして、大学図書館に対する期待というものも大きな影響を受けているところかと思います。
 こういったことを背景といたしまして、会議の冒頭で御説明があって、これまで御議論いただきましたように、今年の1月には、オープンサイエンス時代における今後の大学図書館の在り方検討部会における審議が取りまとめられて、大学図書館は2030年度を目途に、「デジタル・ライブラリー」の実現に向けて取り組んでいくということとされたところでございます。
 今日も御議論いただいたように、これの実現に向けては、様々な課題がございますし、検討を進めていくことは多くございますけれども、文部科学省といたしましては、この構想の実現に向けて取組を進めていきたいと考えてございますので、先生方におかれましては、これまでの御知見あるいは御経験を基に、御議論いただいて、検討いただければと思ってございますので、今後とも引き続きよろしくお願いしたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
【竹内主査】  どうもありがとうございました。
 大変ありがたいお言葉を頂戴いたしました。我々としても、少しでも良い議論ができるように尽力していきたいと考えております。委員の皆様方、御協力をどうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、最後に、事務局より連絡等がございましたら、お願いいたします。
【吉田参事官補佐】  本日の議事録に関しましては、先生方に御確認いただいた上で公開させていただきますので、また後ほど事務局から御連絡させていただきます。
 次回のスケジュールに関しましては、資料5にございますとおり、8月以降で改めて調整させていただきますので、よろしくお願いいたします。次回以降、検討課題について引き続き御議論いただくのと、あとは、調査研究内容等について御議論いただく予定でございます。
 事務局からは以上でございます。
【竹内主査】  ありがとうございました。
 少し予定の時間よりも早い進行になってしまいまして、申し訳ございません。何か委員の先生方から、これだけは最後に言っておきたいということがあればお願いしたいと思いますが、いかがでございましょうか。
 今回議論している中身につきまして、様々な政策的な動きが進んでおります。皆様御承知のとおり、5月にございましたG7のサミット、そして、5月9日に閣議決定されております統合イノベーション戦略2023など、オープンアクセス、オープンサイエンスといったことが様々なところで議論されているところでございます。それらの事柄につきましては、私どもが今明らかにしようとしております2030年の「デジタル・ライブラリー」の推進の中でも大変重要なことになるかと思いますので、皆様方におかれましては、なるべくアンテナを広く張っていただきまして、ここでの「デジタル・ライブラリー」の実現に向けた広い動きというのもぜひフォローしていただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、これで閉会とさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

お問合せ先

研究振興局参事官(情報担当)付学術基盤整備室

©2024 CYBER.NE.JPfrom STAD

CONTACT US

We're not around right now. But you can send us an email and we'll get back to you, asap.

Sending

Log in with your credentials

or    

Forgot your details?

Create Account