Microsoftの幹部が「Microsoft Cloud」について語る際、彼らは「Microsoft Azure」や「Office 365/Microsoft 365」「Dynamics 365」をはじめとする法人向けクラウドサービスの成長に言及する(同社は9月に、Microsoft Cloud事業の売上高に「GitHub」クラウドと「Windows 365」のそれを組み入れるようにしたばかりだ)。同社はMicrosoft Cloud関連の事業をより迅速に、かつ単なる売上高の分類変更ではなく、より一貫性あるかたちで成長させるために、顧客に自社のクラウド製品を1つ販売するだけではなく、複数の製品を統合して販売するアプローチに注力するようになってきている。同社はこうした一連のクラウドサービス群を「インダストリークラウド」と呼んでいる。
Microsoftは2020年に、インダストリークラウド製品の第1弾として「Microsoft Cloud for Healthcare」の一般提供を開始した。そして2022年10月1日現在、7種類のインダストリークラウド製品が利用可能になっており、今後の数カ月、あるいは数年でその数はさらに増える見込みだ。
Microsoftの幹部らがこうしたインダストリークラウド製品についての概要を初めて口にした際、筆者はかつて同社が掲げていた「Better Together」(一緒だとさらに良い)戦略の再来のように感じた。同社は10年以上前に、エンドツーエンドで同社製品を使用することで、より統合化され、よりシームレスで、より問題の少ない製品一式が手に入るというアイデアを顧客に売り込んでいた。同社がインダストリークラウドを前面に押し出しているやり方と理由は当時よりも少し複雑になっているが、Microsoft Cloudという基盤は他社製品よりも優れているという発想に基づいているという点に変わりはないだろう。
米国時間10月12日に始まる同社の年次イベント「Microsoft Ignite」では、インダストリークラウドが大きなテーマになるはずだ。そしてここ数カ月を振り返ってみても、Microsoftの複数の幹部らがインダストリークラウドにまつわる同社の考えについて、さまざまなテクノロジーカンファレンスで語ってきている。
7つの(そして増え続ける)Microsoftのインダストリークラウド
数あるクラウドベンダーのうちで水平統合および/あるいは垂直統合というアイデアに取り組んだのはMicrosoftだけではなく、また同社が先駆けというわけでもない。Forrester Researchの2021年のレポートによると、企業は少なくとも2010年の時点で、スタックのあらゆるレイヤーでインダストリークラウドを使用して成長を加速させようとしていたという。
MicrosoftのインダストリークラウドはAzureやMicrosoft 365、Dynamics 365、「Microsoft Power Platform」の他、同社のツールやサービスの上に構築されており、共通のデータモデルと、クラウド間をつなぐコネクター、ワークフロー、API、業界固有のコンポーネントと標準がパッケージ化されている。Microsoftによると、同社のインダストリークラウドの目的は、フロントエンドの生産的作業と、バックエンドのデータ管理の接続にあるという。
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