東京都で新型コロナウイルスの感染が再び拡大し4回目の緊急事態宣言が出されることが決まったことなどを受けて、東京オリンピックは東京、神奈川、埼玉、千葉、1都3県のすべての会場で観客を入れずに開催されることになりました。東京オリンピックは開幕が2週間後に迫るなかで、競技会場の大部分が無観客になるという極めて異例の事態となりました。東京オリンピックの観客の扱いをめぐっては、大会組織委員会と政府、東京都、IOC=国際オリンピック委員会、IPC=国際パラリンピック委員会の5者は先月、国内の観客について会場の収容定員の50%以内で上限1万人を原則とすると決めていました。しかし、その後、都内の感染者の増加に歯止めがかからず、政府が今月12日から東京都に4回目の緊急事態宣言を出すことを決めたことなどを受けて、8日夜、あらためて5者による会談が開かれました。この中で人流を抑えより厳しい措置を取るとして、都内で開催される競技は一転してすべての会場で観客を入れずに開催することが決まりました。さらに5者の会談のあとに開かれた競技会場がある自治体と組織委員会などの会議で、まん延防止等重点措置が延長されることになった神奈川、埼玉、千葉の3県についても東京都と同様に無観客での開催が決まりました。一方で、宮城、福島、静岡の3つの県は収容定員の50%以内で上限1万人とする原則で観客を入れ、茨城県は学校連携観戦チケットによって子どもたちの観戦のみ認めることとしました。北海道は扱いが決まらず検討が続けられます。東京オリンピックは大会の直前で大会の根幹とも言える観客の扱いが変わり、競技会場の大部分が無観客になるという極めて異例の事態となりました。これによって大会運営や輸送態勢、それにボランティアの対応などに大幅な見直しが迫られることになりコロナ禍で初めて開かれるオリンピックは選手のモチベーションへの影響など数多くの課題を抱えたまま2週間後の開会式を迎えることになります。一方で、今月16日までに観客の扱いを決める方針だった東京パラリンピックについては新型コロナの感染状況などが見通せないとしてオリンピックの終わったあとに判断が先送りされることになりました。
