ブロックチェーンというと仮想通貨(暗号資産)を思い浮かべることが多いと思いますが「分散型台帳」と翻訳されるように、新しいデータの形態です。世界中のコンピュータがインターネットで繋がり、演算とその履歴の検証をしあうことで改ざんに強いデータとなっています。また、中央で管理されるサーバーが存在しないことが特徴で、これをもってブロックチェーン技術が非中央集権的(デセントラライズド)であると説明されます。デジタルデータ活用の進歩は「コピー」とともにあったといっても過言ではありません。現実世界ではドキュメントひとつをとっても、複製を作るには人が書き写したり、専用の機械を開発して使用する必要がありました。現代の人々はスマホやパソコンなどの高度なコンピュータをまったく意識せずに使えてしまいますが、デジタルデータは一瞬でコピーを作ることができ、都度アップデートされるドキュメントをバージョンごとにコピーを残して履歴としたり、ネットワークを通じて遠隔地にコピーを一瞬で送れます。これは人類の歴史をみても画期的な発明といえます。ところが、カジュアルなコピーによってまったく同一のものが生成されてしまう点で、現実世界と違った問題が発生するようになりました。デジタルデータの絵、音楽、ソフトウェアなどに付随する権利が容易に踏みにじられてしまうケースが出てきたのです。もちろん、法によって守られたり、DRM(デジタル著作権管理)のシステムは存在しますが、データそのもののコピーはできてしまいます。冒頭に紹介した『NFT』は、コピーし放題のデジタル世界で、唯一無二の「原本」を示すことができます。「記された内容はどれだけ閲覧やコピーをされてもよいが、原本は唯一のものとして改ざんされてもわかるようにしたい」ときに、効果を発揮します。これは、たった一枚の名画について、美術館に収蔵され厳重に管理されつつも、カジュアルなコピーとして図録や美術書あるいは絵ハガキが存在するのと同じだと考えられます。どれだけコピーされても原本の価値は変わりません。こういった特徴をベースに、ブロックチェーンあるいはNFTをDX(デジタルトランス・フォーメーション)に活用できるのではないかとする考えがあります。例えば登記や契約、公正証書などです。これらは原本を気ままに書き換えるわけにはいきませんが、コピーして閲覧したり配布したりは可能です。コピーしたものに赤ペンで書き入れをしたところで、原本が毀損されることはありません。
最近よく聞く「NFT」!アーティストの絵や、世界最初のツイートといったデジタルデータに何億円の値がついたというニュースは、世界中の人を驚かせまた。『NFT』は、Non-Fungible Token(非代替性トークン)と呼ばれるブロックチェーンのデータです。最近よく聞く「NFT」!アーティストの絵や、世界最初のツイートといったデジタルデータに何億円の値がついたというニュースは、世界中の人を驚かせまた。『NFT』は、Non-Fungible Token(非代替性トークン)と呼ばれるブロックチェーンのデータです。[小嶋秀治コジーの今週気になるDXニュースVOL20210514-02]
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