損害保険ジャパンなどを傘下に置くSOMPOホールディングス(SOMPO)は自社開発チーム「スプリントチーム」を、2021年4月時点の34人から2021年度中に54人に増員する。スプリントチームはSOMPOが2021年4月1日に新たに設立した「デジタル事業」に属する組織「デジタル戦略部」内のチームで、DX(デジタルトランスフォーメーション)サービスの企画・開発を主導する。関連記事:SOMPOが「デジタル事業」新設、オーナーはグループCDO楢崎氏スプリントチームを立ち上げたSOMPOのデジタル事業オーナーでグループCDO(最高デジタル責任者)の楢崎浩一執行役専務は、「私が肝煎りで作ったチームだ。当社の多くのDX案件はスプリントチームが手がけている」と力を込める。楢崎氏は2016年、SOMPOホールディングスに入社。同年、初代グループCDOに就いた。同社入社前は、米シリコンバレーに12年間在住した経験を持つ。スプリントチームは顧客ニーズや社内の各事業部の声を取り入れ、「顧客体験価値」をベースにデジタルを活用した新事業の企画発案から開発までを自社内で完結する組織だ。2018年7月に発足し、エンジニアやUX/UIデザイナーが在籍する。アジャイル開発やデザイン思考の手法を取り入れ、保険の契約者向けや法人向け、社内向けの新サービスやアプリを作る。1週間から2週間ほどの短期間で機能を作り、ユーザーテストや評価を取り入れて改善していく。これを積み上げていくことで時代や状況、ユーザーからの変更要求などに沿った製品を開発する。「クイックに」がキーワードだという。SOMPOの「出島」「自社開発によって短期間で必要なアプリやサービスを作れる。自社チームであれば、事業部門とも対等かつ率直に意見を交換できる」とSOMPOホールディングスの細慎デジタル戦略部課長は内製のメリットを話す。一方で、「同じ会社でありながらチームの文化はSOMPO本体とは全く違い、別会社のようだ。いわゆる出島組織と言える」(細課長)。「出島」は企業がイノベーションを生み出す目的で、既存の組織や枠組みから切り離して設置する拠点のことだ。チームの人数は2021年4月時点で34人。うち14人がSOMPO社員であり、20人は外部のフリーランスだ。14人のSOMPO社員も2018年度以降の外部からの中途採用が8割以上を占める。もともとはユーザー企業のIT部門やソフトウエア会社などで働いていた人材だ。「2021年度にさらに中途採用し、20人ほど社員を増員する計画」と細課長は説明する。チームは累計でPoC(概念実証)を70件ほど手がけ、開発中の案件を含め10件以上をサービス化までこぎつけた。例えば保険の契約者向けに新型コロナ禍における車両入れ替えの際のWeb受付フォームを、社内のグループ会社向けに自動運転車用の遠隔見守り支援アプリを開発した。車両入れ替えの際のWeb受付フォームは、新型コロナ感染拡大の影響でコールセンターを縮小することへの対応策として8日間で作り上げた。法人向けにはヘルスケアサービスとして、スマホカメラを用いた従業員向け健康チェックアプリなどを作った。サンリオエンターテイメントと共同でPoCを進める。イスラエルのスタートアップであるbinah.ai(ビナードットエーアイ)が持つ非接触で心拍数や呼吸数、酸素飽和度をモニタリングできる技術を活用した。酸素飽和度とは、動脈血(心臓から全身に運ばれる血液)を流れる赤血球に含まれているヘモグロビンに、酸素がどれくらい結合しているかについて皮膚を通して調べた値を指す
SOMPOがDX内製(外注依存ではDXは出来ません、これ正解)チーム大幅増員、新サービスを続々生み出す「出島」の正体[小嶋秀治コジーの今週気になるDXニュースVOL20210406-01]
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